カーオーディオ基礎講座 第28回

こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。

それでは早速始めていきましょう!

なぜフルレンジ信号を3つに分けるのか?

前回3Wayスピーカーについてザックリとお伝えしましたが、今回も引き続き3Wayスピーカーについてお伝えしていこうと思います。

今回は3Way スピーカー、なぜフルレンジ信号を3つに分けるのか?という理由についてお伝えしてこうと思ったのですが、この内容をお伝えするにはスピーカーの特性といいますか、得意・不得意についてお伝えしないといけないかなと思いました。
この得意・不得意がわかればなぜ2Wayではなくて3Wayなのかという理由が分かると思いますので、そのスピーカーの得意・不得意についてお伝えしていこうと思います。

このスピーカーの得意・不得意についてお伝えすると少しスピーカーの歴史。みたいな感じの話になってしまうのですが、お付き合いください。

フルレンジスピーカーの欠点

元々スピーカーは1個でフルレンジ信号(低音から高音まで)を鳴らしていました。
ただ1個のスピーカー(フルレンジスピーカー)でフルレンジ信号を鳴らすには弱点といいますか欠点がありました。
それはフルレンジ信号全てをきちんと鳴らすことが出来ない。というところです。

欠点の訳

この全ての帯域をきちんと鳴らすことが出来ないと言うことを具体的にお伝えします。
ただ、フルレンジスピーカーと言っても色々なサイズがありますので、カーオーディオで標準的なウーファーサイズである16cm、17cmで例えて説明していきますね。

カーオーディオ用のスピーカーで16cm、17cmのウーファーが鳴らせる低音の限界(どれくらい低い音まで鳴らせるか)はだいたい50Hzや60Hzぐらいまでです。
もちろんもっと低いところまで鳴らすことができるスピーカーはありますし、もっと高いところまでしか鳴らせないものもありますが、平均するとだいたいこれくらいです。
高音に関しましては良く鳴らせてもだいたい7k、8kHzぐらいまでです。

人間が聴こえる音の範囲は?

ここで人の可聴帯域(聴こえる帯域の限界)についてですが、20Hzから20kHzと言われています。
人は加齢により高音がだんたんと聴こえにくくなってくると言われていますが、人間の最大の可聴帯域が20Hzから20kHzまでと言われるならスピーカーの目標はその可聴帯域全てを均等に鳴らすことになります。(目標と言うよりは理想かもしれませんが)

フルレンジスピーカーはその可聴帯域に対して50Hzから8kHzくらいまでですので目標に対して鳴らせていない帯域が低音側にも高音側にもある。と言うことが欠点となります。

ここでツィーターが登場です

ではこの鳴らし切れない帯域をどうやって解決するんだ?となったときにその鳴らし切れていない帯域を得意とするスピーカーを継ぎ足してあげればいいな!と言うことでツィーターが登場しました。

ツィーターはサイズにもよりますがだいたい3k、4kHz位から高い音の帯域を得意とするスピーカーで高音の上限は低いものでも20kHz。
もっと高音まで鳴らせるものは30kHzや40kHzまで鳴らせるようなものもあります。
このツィーターを継ぎ足して2Wayスピーカーとすることで50Hz位から20kHzまで鳴らせるようになり、低音の再生帯域はフルレンジの時と変わりませんが、2Wayにすることでおよそ全帯域を鳴らせるようになりました。

きっかけは分割共振

2Wayになってほぼ全帯域が鳴らせるようになったのですが、ここから3Wayyに発展するきっかけのようなものがあります。
それは『分割共振』です。

この『分割共振』とは主にウーファーで起きる物ですが、簡単に言ってしまうと音が乱れる原因になる物です。
そして16cmや17cmのウーファーだとおよそ800Hzから高い音で発生すると言われています。(800Hzとは15年前くらいの話ですので現在のスピーカーはもう少し高い音でも分割共振が起きないかもしれません)

ちなみに2Wayスピーカーの場合、ウーファーは低音から3kや4kHzくらいまで音を鳴らしています。
そうすると800Hzから3k、4kHzの音は乱れた音になってしまっていることになります。

ここでミッドレンジの登場です

そこで登場するのがミッドレンジスピーカーということになります。
ミッドレンジスピーカーの得意な帯域はサイズや口径によって変わるのですが、コーン型だとだいたい300Hzぐらいから5k・6k・7kHzぐらいです。
ドーム型になると800Hzぐらいから10kHzぐらいまで鳴らせるモデルが多いです。
こんな感じに得意な帯域が違うスピーカーを合わせて得意な帯域だけ担当してもらう。
そうすることで鳴らせない帯域がない、乱れた音がない状態にすることが3Wayyスピーカーの目的となります。

こういった理由からフルレンジ信号を2分割した2Wayスピーカーではなくて、3分割した3Wayスピーカーがあります。

2Wayでも分割共振なし!?

ここからは少し余談なのですが、ダイアトーンのフラッグシップスピーカーに『DS-SA1000』というモデルがあります。
こちらのスピーカーは新しい素材、構造を採用して、かなり高い帯域まで分割共振が起きることを防ぐことが可能になったそうです。
具体的にどこまで分割共振が発生しない。ということは言われていないのですが、ツィーターとのクロスポイント 2.2kHzまでは分割共振をしないそうです。
そうすることで2Wayスピーカーでありながら3Wayスピーカーの音が鳴らすことができるスピーカーになっているそうです!(3Wayの音というのは分割共振に限った話ですが)

分割共振をどうするのか?が1つのテーマ

『DS-SA1000』はかなり例外的なスピーカーになりますが、分割共振をするから3Way化するのではなく、2Wayでどれだけ分割共振することなく綺麗な音を鳴らすことができるか?
そんな2Wayを作る!という取り組みもメーカーは行っているようです。

今回の内容は面白かったですか?

今回は2Wayではなくて、なぜ3Wayにするのか?
なぜフルレンジ信号を3分割して鳴らすのか?というところの理由についてお伝えさせていただきました。
もう少し3Wayについてお伝えしようと思いますので、今回の内容が面白かったな、続きが気になるな、と思われた方はまた次回も見ていただけると嬉しいです(^^)

動画もあります

文字で読み込んでいくのが苦手な方のために動画も用意しております。
ほとんど同じ内容となっておりますが、少し余談が多めになっております^^;

第27回 フロント3Wayスピーカーとは?

今回は3Wayスピーカーについてお伝えしていこうと思います。
「どういったものなのか」後は「3Wayスピーカーにするメリット」「なぜ3Wayなのか?」といったことをお伝えしていこうと思います。

第27回はこちら

第29回 フルレンジ・2Way・3Wayスピーカーの特徴を比較

前回はフルレンジスピーカーから始まってその弱点を克服する形で2Way、3Wayと発展していったとお伝えしましたが、各構成(フルレンジ・2Way・3Way)で良いところ・得意なところがあったり、逆に苦手な所があったりしますので、その得意・不得意を改めてお伝えしていきます。

第29回はこちら

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