本日は ＢＭＷ Ｍ４４０ｉ グランクーペ のフロントスピーカーとセンタースピーカー、そしてシート下ウーファーを交換させていただいた作業を紹介いたします。

こちらのオーナー様はサウンドオプションのハーマンカードン付きの車両なのですが、いまひとつ満足できなかったとのことでスピーカー交換のご相談をいただきました。
そしてせっかくならしっかりとスピーカーの試聴をしてみたいということで、少し遠方の方ですが、ご来店いただきましてスピーカーを試聴していただきました。

しっかりと聴き比べ試聴をしていただき、スピーカーの吟味はもちろんのこと、どこまでのスピーカーを交換するのかをしっかりとご検討いただき、今回はフロント周りのスピーカーをブラムのスピーカーへ交換させていただくこととなりました。

それでは作業を紹介していきます。

まずはフロントドアのスピーカー交換から作業を始めていきます。
ということでまずは作業前の状態です。

内張を外す前にツィーターの方も。
今回はハーマンオプション付きということでツィーターがすでに取り付けられている状態です。
そしてツィーターの保護グリル部にハーマンのロゴプレートが付いています。

先ほどの内張を取り外すとこのようになっております。
近頃のＢＭＷはドア内部が樹脂パネルで覆われているタイプになりました。
そして１０cmのミッドレンジスピーカーが少し車両後方と言いますか、ドア中央付近に動いています。

こちらが先ほどお伝えした１０cmミッドレンジです。
パッと見た感じはいつもの１０cmですが、ツィーター付きの車両ですのでスピーカーケーブルの接続部にカプラーが２つ付いていますね。

先程みたスピーカーも交換ですので取り外してすっきりとした状態にします。
ここから新しくブラムのスピーカーを取り付ける作業となります。

まずはパッシブクロスオーバーネットワークを取り付けます。
今回はドア左下の方にちょうど良いスペースがありましたのでそちらにツィーター用のハイパスフィルターとミッドレンジ用のローパスフィルターを取り付けます。
ちょっと余談ですが、パッシブクロスオーバーを取り付けた場所はなんとなくスピーカーが取り付けできそうな形状をしておりました。
もしかしてですが、ここに６.５インチスピーカーを取り付ける計画があったのでしょうか？
ただ、僕の記憶が確かならハーマンカードンが最上位のサウンドオプションだったと思いますので、そのハーマン付き車両にスピーカーがないということは結局、オプション設定されなかったようですね。
もしかしたら次の世代とかでＢＭＷもドアに６.５インチスピーカーが復活するかもですね！（しないかもですが・・・）

パッシブの取り付けを終えたところでお次にドアの制振を行います。
今回はいつもの感じではなく、施工内容をバージョンアップしていただきましたので全面制振となっております。
樹脂パネルが取り付けられて大きな穴がないから施工しやすいかと思わせて、パネルが複雑な形状をしていますので意外と貼り付け、圧着が大変です。

次にツィーターの交換を行なっていきます。
ということで取り外したツィーター付きのパネルです。

まずはパネルからツィーターを取り外します。

純正ツィーターを取り外したところで新しく取り付けるブラムのツィーターと並べてみました。
ぱっと見は近しいサイズなのですが、ブラムのツィーターの方が一回り小さいです。
小さいのは取り付けしやすいので良いのですが、このままでは純正取り付け位置に取り付けてもガタガタでうまい具合に固定ができません。

ということで純正ツィーターと同じ外径サイズになるようにリングを作り取り付けです。
これで純正位置に純正と同様な取り付けができるようになりました。
補足ですが、ブラムの方がリングの爪の位置が中途半端なところにあります。
この位置に持ってくるとパネルに取り付けた時にロゴがちょうど良い感じになりますので中途半端な位置となっております。

ブラムのツィーターをパネルに取り付けです。
パネルに取り付けてしまうと保護グリルの兼ね合いでブラムロゴはほとんど見えないので角度にこだわることはないかと思いますが^^;
それでも良く見るとうっすら見えてしまいますのでできるだけ違和感のない角度に取り付けをさせていただいております。

あとはツィーターを取り付けたパネルをドアに取り付けてツィーターの交換作業が完了です。
この角度から見るとブラムロゴがさっきより良く見えますね。

ツィーターの取り付けが終わりましたのでお次にミッドレンジスピーカーの取り付けを行なっていきます。
ということでまずはスピーカーを取り付ける土台となるインナーバッフルを取り付けます。

インナーバッフルの取り付けができたところでスピーカーの取り付けです。
ブラムの『Ｓ１００Ｎ２４』のミッドレンジを取り付けました。

スピーカー取り付け後はスピーカーの周りに遮音スポンジを貼り付けをして完成です。

スピーカーの取り付けができましたのであとは内張を取り付ければドアでの作業が完成なのですが、組みつけの前に内張の制振を行なっていきます。

今回は内張は部分制振ですので振動しやすい部分を選んでオーディオテクニカのブチル制振シートを貼り付けです。

制振材の貼り付けが終わったら元々取り付けられていた吸音フェルトを元に戻して内張の制振作業の完了です。

最後に内張を元通り組み付ければドアでの作業が完成です！

ツィーター取り付け部は元々ハーマンのパネルでしたので今回は表向きの見た目の変化はありません。
ただ、よーく覗き込むとブラムのツィーターの周りがシルバーなことと、ブラムのロゴが見えますので実際は少しだけ見た目が変わっているとも言えますね。

ドアでの作業が完了しましたのでお次にシート下に取り付けられているウーファーの交換を行なっていきます。
ということで交換のために運転席のボルトを外して浮かした状態になります。
そうするとウーファー取り付け部の保護グリルが見えてきます。

先ほどの保護グリルを取り外すとウーファー本体が見えてきます。

車両に取り付けた状態ではウーファーの交換が出来ませんので取り付け土台と一緒に車両から取り外します。

その取り外した土台と一緒になっているウーファーがこちらです。

土台ごと車両から取り外したあとは土台とウーファーをバラします。
この状態になればとは土台に新しくブラムのウーファーを取り付ければ良いのですが、

その前に純正ウーファーとブラムのウーファーを並べてみました。
ブラムのウーファーのありがたいところが純正と同形状で作られていますので取り付け部の加工などなく取り付けが出来るところです。
ただ、少し難点はスピーカーケーブルを接続する端子部分が一般的な固定方法となっておりますので、純正カプラーを少し加工して接続する必要があります。

ついでに裏側も。
純正はマグネットが表側に設置されている少し変わった構造ですが、ブラムの方は裏側にある、ある意味通常の構造になっています。

ウーファーを見比べたところであとは取り付けなのですが、その前に取り付け部の制振作業を行います。
今回の土台は必要最小限の構成でしたので貼り付け部はそれほど多くないですが、それでも貼り付け可能な部分に施工をしております。

土台が貼り付け部がすくなかったので代わりに車両側に貼り付けを行いました。
土台を固定している鉄板部ということもありますし、スピーカー背面は鉄板になっておりますのでこちらへの施工も効果ありと思います。

制振作業が終わったところでウーファーの取り付けです。
土台にウーファーを取り付けて、土台と一緒に車両に取り付けます。

最後に保護グリルを取り付ければシート下のウーファーもブラムに交換完了です。

シート下ウーファーの交換が終わったところで最後にダッシュボード上にあるセンタースピーカーの交換です。

保護グリルを取り外すとスピーカーが見えてきます。
グリルが横長なので横に並んでいるのかと思いきや、縦にミッドレンジとツィーターが並んでいます。

先ほどのセンタースピーカーを交換しますので作業をしやすいように土台ごと取り外してしまいます。

土台を車両から取り外したあとはミッドレンジ、ツィーターを取り外してすっきりとした状態にします。

新しくスピーカーを取り付ける前にこちらも制振作業をご依頼いただきましたので制振シートを貼り付けていきます。
ただ、思っていたよりも貼り付け面積が狭かったので、

裏側にも貼り付けをさせていただきました。

取り付け土台の制振が終わったところでスピーカーの取り付けです。
ドアに取り付けたスピーカー同様にブラムの『Ｓ１００Ｎ２４』を取り付けさせていただきました。

あとは土台ごとダッシュボードに取り付けてセンタースピーカーの交換も完了です！

保護グリルを取り付けてしまうと見た目の変化はありませんが、これでフロント周りのスピーカーは全てブラムに変わりましたのでブラムの音色で統一されております。

これにて今回ご依頼いただきました作業は全て完了致しましたので最後に純正オーディオに内蔵されている音質調整機能を使って全体のバランスを整えさせていただきました。

といった感じで今回は少し長くなりましたが、ＢＭＷ Ｍ４４０ｉ グランクーペ のフロントスピーカーとセンタースピーカーとシート下ウーファー交換をブラムのスピーカーに交換させていただいた作業を紹介させていただきました。