カーオーディオ基礎講座 第9回

こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。

カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことやこれからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っております。
ですので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。

それでは早速始めていきましょう!

『調整』ってナニ?

基礎講座-音質調整

基礎講座 第9回目のテーマは『調整』についてです。

カーオーディオには『調整』といういう言葉があります。
『調整は』他にも『音質調整』だったり『サウンドチューニング』という呼ばれ方をすることもあります。
色々な呼び方はありますがこれらは全て基本的には同じことを指してる言葉になります。
じゃあこの『調整』というものが何なのか、何のために必要なのか、というところを今回はお伝えしていこうと思います。

カーオーディオの場合は車内で音楽を聴きます。

オーディオルームとしての車内環境

車内というのは実は音楽を聴くのに適した環境ではないです。
というのもガラスがあったり、試聴位置が偏っているからです。
ガラスは音が反射しやすい物体で、車の場合そのガラスが前方・後方・左右にありますので音が反射しやすい環境です。
またステレオ音源を聴く際の場所は左右のスピーカーから等距離で聴くことが理想とされているのですが、車の場合 運転席に座ると必ず左右どちらかに偏った位置に座ることになりますので、この一番理想的な試聴位置・リスニングポジションで音楽を聴くことが出来ません。
こういった理由からカーオーディオ・車内が音楽を聴くのが適していない環境だと言われる理由です。

ホームオーディオの環境

ちなみに家の中で聴くホームオーディオの場合は環境が悪かったら試聴位置を変えて見たり、スピーカー置く場所を変えてみたり、あとは部屋の中にある家具の位置を動かしたり、吸音材を置いてみたりすることで音楽を聴く部屋の環境を整えていくことが出来ます。
この作業をルームチューニングなんて言ったりします。

カーオーディオのルームチューニング

カーオーディオの場合はホームオーディオのようにルームチューニングをすることがなかなか難しいです。
音が反射知ることが良くないからと言ってガラスを外すことも出来ませんし、試聴位置が偏っているから運転席を車両の真ん中へ動かそう!なんていうことも出来ません。

そこで登場するのが『調整』

カーオーディオの場合はルームチューニングに限界がありますので、そこで考えられたのが『信号を補正すること』です。
プレーヤーから出力される音楽信号を車内特性に合わせた形に変えて、耳に届く際に最適な状態にしてあげるということを行います。
この補正する作業を総じて『調整』だったり『音質調整』または『サウンドチューニング』などと呼んでいます。

具体的にはナニをしているの?

では具体的に『調整』とはどんな機能を使って音を補正をしていくのか?というところですが、音を補正するのに代表的なものは「イコライザー」や「タイムアライメント」(メーカーによっては「タイムディレイ」呼ばれています)そして「デジタルクロスオーバー」あとは「スピーカー位相調整」や「スピーカーレベル調整」など、こういった機能を使って車の中で音楽を聴くのに適した信号に補正しています。

スピーカーに合わせた補正もあります

車内環境に合わせた補正だけではなく、スピーカーが能力を発揮しやすいようにする信号補正も『調整』の作業になります。

機能について解説

先ほどお伝えした「イコライザー」「タイムアライメント」「デジタルクロスオーバー」「スピーカー位相調整」「スピーカーレベル調整」の機能をきっちり説明していくと難しく、長くなってしまうので一つ一つ簡単に説明して行きます。

イコライザー

まず最初は「イコライザー」についてです。
「イコライザー」は車内の反射や共振で起きる音の増幅(音が大きくなる)や減衰(音が小さくなる)を補正する機能です。
音は反射をすれば必ず音が大きくなるとか、必ず小さくなると言った決まったものではなく、反射する物だったり反射する物との距離によって特定の周波数が増幅したり減衰します。
そうすると特定の帯域だけ音が大きかったり、小さかったりなど周波数的にデコボコとした状態になってしまいます。
このデコボコな状態を適切に補正してフラットに近い状態に戻してあげるのが「イコライザー」の仕事になります。
具体的に言うと反射で大きくなってしまった音を通常の状態まで小さくしたり、小さくなってしまった音を通常の状態まで大きくしてあげたりすることです。

後は音の反射ではないですが、取り付けを行うスピーカーの特性によって特定の周波数が大きかったり小さかったりなどしますので、そう言ったスピーカー由来の周波数のデコボコを補正することが出来るのも「イコライザー」ということになります。

タイムアライメント

次は「タイムアライメント・タイムディレイ」についてです。
車の場合、運転席が右か左に偏ってますので、必ず右か左のどちらかの音が早く耳に届き、その反対側のスピーカーの音が遅く届きます。

音は一秒間におよそ340m 進むと言われてます。
それに対して車内の一番近いスピーカーと一番遠いスピーカーとの距離差はほとんどの車で1m くらいです。
「秒速340mの音が1m違ったくらいで大した差にならないだろう、だからそんなわずかな差は人間の耳に分からないんじゃないか」と思われるかもしれませんが、人間の耳は意外と繊細で、この1 m ぐらいしかない差を判断できています。
では右と左のスピーカーに距離差があるとどんな風なことになるか、どんなふうに聴こえているのかと言いますと、
例えば右ハンドルの場合は右のスピーカーが近くにあります。
そうすると右のスピーカーの音が早く耳に到達しますので、右スピーカーの音の存在が強くなります。
結果として本来センターで聴こえなければいけないボーカルなどが右ドアから聴こえるという現象起きます。
これが距離差によって起きる結果です。

「タイムアライメント」だったり「タイムディレイ」はこの距離差分の音が発せられるタイミングをずらして実際に耳に届くタイミングを合わせることが仕事です。
具体的に言うと一番遠いスピーカーからは通常通りのタイミングで音が出力され、逆に一番近いスピーカーからは距離差分(約0.003秒)ほど遅く信号を出力するという機能です。
こうすることにより距離が遠いスピーカーと距離が近いスピーカーの音が同時に耳に届く、同時に聴こえるようになる機能です。
左右のスピーカーが同時に聴こえるようになることで およそ車のセンター付近、ダッシュボードの中心付近からボーカルが聴こえる、そこで歌ってるように聴こえるようになります。
これが「タイムアライメント・タイムディレイ」で得られる効果です。

デジタルクロスオーバー

次に「デジタルクロスオーバー」についてです。
スピーカーというのはメーカーや種類などによって得意な再生周波数帯が違います。
一般的に言えばドアにつける16cm・17cmのミッドバススピーカーは低音から中音までが得意な帯域になります。
後はツィーターだと高音鳴らすことが得意、というか仕事になります。
スピーカーは得意な帯域の信号だけにして送り出してあげることで性能を発揮しやすくなったり、壊れることを防ぐことが出来ます。ツィーターに送られる信号は高音だけの状態にします。
この信号の分配をデジタルで行ってあげる機能がデジタルクロスオーバーっていうことになります。

通常スピーカーにはパッシブネットワークというアナログ回路でこういった仕事をするものがついてるんですけど、これはアナログ回路なので基本的に決まった帯域、高音と中低音を分ける分割する帯域・ポイントで固定になります。
そうすると車種によってもうちょっと下の帯域で分割したいな、とかもうちょっと高い帯域で分割したいなっていう時に簡単に変えれません。
その点プロセッサーだったり高音質なナビゲーション中に内蔵されている「デジタルクロスオーバー」であればデジタルの機能なのですぐにもうちょっと下だったり、もうちょっと上というのを変えて行くことができます。
これが「デジタルクロスオーバー」の仕事です。

スピーカー位相調整

次に「スピーカー位相調整」についてです。
「位相調整」は「デジタルクロスオーバー」がちょっと関わってくるものになるのですが、
「位相調整」はスピーカーの取り付け位置だったり、スピーカーの取り付け角度、後は「デジタルクロスオーバー」のスロープ角などによって調整が必要となるものです。
「位相」と言われるものは「正相」と「逆相」があります。
簡単にいえば「プラス・マイナス」なんですけど、これはドアスピーカーが正相・ツィーターが正相としている時が良い時と、ドアスピーカーが正相・ツィーターが逆相のようにあえてひっくり返してしまう方が良い時があります。
この位相調整というのは、どちらの状態でも音は鳴りますので良し悪しがちょっとわかりにくいんですけど、この「位相」をきっちりと揃えれると音質はすごく良くなります。

この「位相調整」はアナログ的に行うことも出来て、スピーカーケーブルをプラスとマイナス逆に接続すれば逆相となるのですが、つなぎ替えるのにちょっと時間がかかったりします。
これがデジタルでボタン1つで正相・逆走と簡単に切り替えたり調整できるっていう機能が付いてるのは音をまとめていく上で時間を短縮できる機能になります。

スピーカーレベル調整

最後に「スピーカーレベル調整」についてです。
「スピーカーレベル調整」は単純に各スピーカーから出るボリュームを大きくしたり小さくしたりすることが仕事です。
「タイムアライメント」とちょっと近い要素でもあるのですが、運転席が右側に偏っていると右側のスピーカーが近くなります。
物質の特性上、同じ音量であれば距離が近いものの方が音が大きく聞こえます。
なので、左右のレベル調整をしないままだと基本的に右側のスピーカーの音が大きく聴こえます。
この状態ですと音が大きい方に存在を引っ張られますので全体的に音が右側に寄ってしまいます。
これを適切に右側のボリュームを下げてあげることで左右のボリュームバランスが整い、センターから聴こえるはずの音がセンターから聴こえ、ボーカルがダッシュボード中央付近で歌っているように感じれることができます。
そうすることでCDなどに収録されているステレオ音源がバランス良くきれいに聴こえるようになります。

調整とは

『調整』というのはお伝えしました機能を使って適切にバランスを取り、きちんとステレオ音源を鳴らすことが出来るようにすることです。
そしてそれが調整の最終目標になってます。

まとめ

簡単にと言いながらも各機能をちょっとずつお伝えするだけで結構内容が多くなったのではないかと思います^^;

最後にまとめると、『調整』と言われる作業は車の中で良い音で音楽を聴くために車やスピーカーに合わせた音楽信号に補正してあげる作業です。
そしてその補正というのは主に「イコライザー」「タイムアライメント・タイムディレイ」「デジタルクロスオーバー」「スピーカー位相調整」「スピーカーレベル調整」などの機能を使って全てのバランスをとっていくということになります。

最後に

はい今回は『調整とはどんなものか、何やってるのか』という内容でお伝えさせていただきました。
『調整』をもっと詳しくお伝えしていくとなると、実際にどんな風に調整するのか、どういった聴き所で補正していくのか、というところになると思うんですけど、その部分をお伝えするのは難しい内容になってしまいますので 回を改めてお伝え出来ればいいかなとは思ってます。
なかなか難しいのでやらないかもしれないですけど(^_^;)

今後もこういった感じでカーオーディオ専門用語の解説などを行っていこうと思います。
少しでもためになったなと思っていただけた方は次回も見ていただけると嬉しいです。 

動画もあります

文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
ただ内容としましてはほとんど同じことをお伝えしております。

動画ですが「観る」というよりは「聞く」という感じになっております。

第8回 インナーバッフルの役割

インナーバッフルって『なぜ必要なのか』『どんな役割があるのか』ということがわからない方のために インナーバッフルについてお伝えしております。

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