カーオーディオ基礎講座 第8回

こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。

カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことやこれからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っております。
ですので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。

それでは早速始めていきましょう!

インナーバッフルの役割

インナーバッフル

基礎講座 第8回目のテーマは『インナーバッフル』についてです。

インナーバッフルって車のスピーカーを交換しようかな、と考えた方だったら聞いたことある言葉かもしれません。
でも実際に『なぜ必要なのか』『どんな役割があるのか』ということがわからない方のために インナーバッフルの基本的な部分を今回はお伝えしていこうと思います。

まずはスピーカーについて

トヨタ純正スピーカー

まず、上の写真がトヨタ車の純正スピーカーです。
例えばこのスピーカーを交換しよう!ってなった時はもちろんこのスピーカーを車から取り外すんですけど、純正スピーカーというのは取り付けの土台となる樹脂の部分とスピーカー(振動板)部分が全て一体になってます。

市販のスピーカー

市販スピーカー

それに対して市販のスピーカーというのは上の写真のようにスピーカーだけの状態になってます。
取り付けのフレームはあるのですが振動板の面から取り付け面までの距離が短くなっています。

取り付け面と奥行き

純正スピーカーと市販スピーカーの取り付け奥行きの違い

純正スピーカーは樹脂が広がっている部分、ここが取り付け面になってますので、広がっている部分とドアの鉄板が接触する形で取り付けるようになります。市販のスピーカーも広がっている部分がスピーカーの取り付け面となり、仮にインナーバッフル無しでドアにスピーカーを取り付けようと思ったら市販のスピーカーは少し後ろにズレた感じでの取り付けとなります。

奥行きで発生する問題

市販のスピーカーが後ろにズレると純正スピーカーよりも奥行きが深くなり、ドア内部・車両外側方向により侵入することになります。
より深くまでスピーカーが侵入すると車の場合問題が発生することがあります。
それは窓ガラスが当たる!ということです。
車の窓を開けた際はもちろんのことドア内部にガラスが下がってきます。
その時にガラスが通るルートまでスピーカーが侵入してしまっているとガラスがスピーカーにあたりガラスが1番下まで下がりきらない。なんていうことがおきます。
「ガラスが開ききらなくても付けたいスピーカーを付けるんだ!」と言われれば仕方ないかもしれないですが^^; 車として使える機能がちゃんと使えないというのは正常な状態ではないので、窓が開かなくなるっていう状態は取り付けが出来ない状態となります。

問題は奥行きだけじゃなくて…

あとはトヨタ車の場合はスピーカーを取り付ける穴が結構大きいです。
そこに市販のスピーカーつけようと思ってもちょっと穴が大きすぎてそのまま付ける出来ないです。
そこで登場するのがインナーバッフルです!

そこでインナーバッフル!

純正スピーカーとインナーバッフル

写真のインナーバッフルはトヨタ車の物ですが、純正スピーカーと同じサイズで作られています。
このインナーバッフルを使うことによってガラスがスピーカーに当たって下がりきらない場合だったり、スピーカー取り付け穴が大きくてそのままでは取り付けが出来ない場合でも市販のスピーカーが取り付けが出来るようになります。

インナーバッフルがあれば問題解決

取り付け奥行き

実際にスピーカーをインナーバッフルに取り付けてみると上に写真のようになります。
こうなるとスピーカーの取り付け深さは純正とほぼ一緒になります。
奥行きが一緒になれば純正スピーカーはガラスに当たっていませんでしたから市販のスピーカーもガラスに当たらない、と言うことになります。
そしてスピーカーの振動板の位置もだいぶズレていましたがインナーバッフルを取り付けることにより純正スピーカーとほぼ一緒な位置に来る形になります。
こういう風に取り付けできなかったものが取り付けできるようになるというのがインナーバッフルの一つの役割です。

振動板位置比較

インナーバッフルにはもう一つ役割があります

ほとんどの車両ではスピーカーはドア鉄板に取り付けるようなります。
仮にガラスまでの距離や取り付け穴に問題がなく、直接鉄板にスピーカーが取り付け出来たとして、スピーカーを鉄板に直接取り付けるとスピーカーの振動がドアに伝わりやすくなります。
そうするとドア鉄板が振動してしまい、鉄板特有の鳴き・共振を起こします。
この共振というのは決して良いものではなくて、どちらかと不快に感じやすくオーディオの音質の邪魔をします。
なので出来るだけ鉄板というのは共振しない方がいいですけども、そこで登場するのがインナーバッフルとなります。
インナーバッフルは一般的にMDFと言われる木材で作られています。
木材自体に振動を減衰させる内部損失って言われるものがありますので、スピーカーと鉄板の間にMDF製インナーバッフルを取り付けることで振動が鉄板に伝わりにくくなり、音が悪くなる原因である鉄板の共振音の発生を多少を抑えることが出来るようになります。
と言うことは結果として音を良くしているわけです!

高音質インナーバッフル

あとは少し余談ですが、木材製ではなく鉄製のインナーバッフルもあります。
これが非常に音質に良いです!
一昔前だと鉄製だと結局鉄板と同じで共振したり固有音を発生させてしまうと言うことで嫌われてました。
ですが最近の鉄製バッフルは違う種類の素材を組み合わせるなどして固有音の発生を少なくする工夫がされています。
特にカロッツェリアの金属バッフルっていうのは鉄とアルミと真鍮の3種類の金属をハイブリッドすることで固有の振動音、共振音を発生しにくくしています。
ということで金属バッフルで一番の嫌だった固有音というのが発生しにくくなって、あとに残ったのが金属特有の強度です。
スピーカー自体振動して音を出してるので、出来るだけ強度の高い土台に取り付けた方が音質的に有利です。
なので木製よりもやはり金属製で強度が高い物の方が音質向上効果が高いです。

ドアの強度を高める

そしてもう一つ金属バッフルを使うメリットがあります。
スピーカーを取り付けるドア鉄板というのは燃費などをよくするために軽く、薄くなっていますので鉄板自体の強度は高いものでは無いです。
そこに厚みのある金属を取り付けることでスピーカー周りのドア鉄板強度が若干ながら上がります。
ドアの強度が上がればスピーカーの土台がより安定しますので、これもオーディオにとって非常に効果がありますので、そういった理由からも金属バッフルを使うことは良いのです。
なので、カロッツェリアだったり、国産のカスタムフィットスピーカーを取り付けられる方は金属バッフルを使って取り付けを行うのが非常にお勧めです。

海外スピーカーの場合は?

ただ金属バッフルは国産スピーカー用に作られているので海外スピーカーにはほとんど対応してません。
海外製スピーカーを取り付けたい方にとってはMDFより良いインナーバッフルは無いのか?となると思うんですけど、そういう時にオススメがあります!
MDFというのは木を粉状にしたものを接着剤で圧縮して固めたものなので木目が無く、加工性が高い反面、強度がちょっと少ないのがデメリットです。

MDFより強度の高い木材

そこで海外製スピーカーを付けたいと言う方にオススメなのが、MDFより強度が有る『バーチ積層合板』などの席総合版です。
積層合板は木を薄くスライスして重ねて接着剤で固めた木材です。
スライスした木を貼り合わせて作られていますので積層合板には木目が残っており、強度があります。
なのでMDF製インナーバッフルより高音質なインナーバッフルを希望される方はこういったバーチ積層合板などを採用するっていうのも一つの手だと思います。

まとめ

ということで最後にちょっとまとめるとインナーバッフルの役割は1つが『純正スピーカーから社外のスピーカーに変える時にスピーカーを取り付け出来るようにすること』
もう1つが『スピーカーの性能を発揮させてあげやすくするための補助をすること』この2点がインナーバッフルの主な役割となります。

最後に

といった感じでインナーバッフルの役割について簡単にお伝えさせていただきました。
今後もこういった形で専門用語の解説だったりを行っていこうと思いますので少しでもタメになったなと思った方はまた次回も見ていただけたら嬉しいです

動画もあります

文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
内容としましてはほとんど同じことをお伝えしております。

カメラの前でスピーカーやインナーバッフルを持って話させていただいてます。
でも、観るというより聞いていただけたら幸いです。

第7回 デッドニングの役割

デッドニングって聞いたことはあるけど『何をやってるのか』とか『何のためにするのか』ということが分からない方のために基本となる部分をお伝えしております。

第7回はこちら

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