こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。
それでは早速始めていきましょう!
カーオーディオ基礎講座 第16回目のテーマは『バイアンプ接続』についてです。
前回、マルチ接続についてお伝えさせていただきましたので そのマルチ接続と似ている接続方法の『バイアンプ接続』についてもお伝えさせていただきます。
マルチ接続についてお伝えさせていただきましたので、せっかくなので『バイアンプ接続』について「どういったものなのか」「どんなメリット・デメリットがあるのか」というところをお伝えしていきます。
まず、マルチ接続と『バイアンプ接続』が似てると言いましたが、何が似てるのかと言いますと、「ナビゲーションだったりプレーヤーとスピーカーの接続の仕方」が似ています。
マルチ接続の場合は1アンプに対して1スピーカーの接続の仕方なのですが、『バイアンプ接続』も同じく1アンプ・1スピーカーの接続の仕方になります。
ここが似ているポイントなのですが、では何が違うのかと言いますと、マルチ接続の場合は基本的にナビゲーションだったりオーディオプレーヤーに内蔵されているデジタルクロスオーバーネットワークいうものを使ってツィーターとドアスピーカーの帯域分割を行います。
マルチ接続に対して『バイアンプ接続』はスピーカーに付属してくるパッシブクロスオーバーネットワークを使って帯域分割を行います。
クロスオーバー・帯域分割を行うのがナビゲーションやオーディオプレーヤーに内蔵されている「デジタルクロスオーバー」なのかスピーカーに付属してくるコイル・コンデンサーを使ったアナログ回路の「パッシブクロスオーバー」なのか、この違いがマルチ接続と『バイアンプ接続』の違いになります。
実際には『バイアンプ接続』というのは1アンプ・1スピーカーを接続する繋げ方の名称ですのでマルチ接続もバイアンプ接続の一種ではありますが、カーオーディオの場合は分けて呼んでいることが多いので『バイアンプ接続』はパッシブクロスオーバーを使った接続方法、という形で覚えてもらって良いのではないかと思います。
先程、『バイアンプ接続』は基本的にスピーカーに付属してくるパッシブクロスオーバーを使って1アンプ・1スピーカーの接続をすること、とお伝えしましたが、実は全てのスピーカーで『バイアンプ接続』が出来るわけではありません。
というのが、この付属してくるパッシングクロスオーバーが『バイアンプ接続』に対応してるものなのか、対応していないものなのかで変わってきます。
気になるのが具体的にどういう風に違うのか、ですが
実はほとんどのスピーカーに付属してくるパッシブクロスオーバーは『バイアンプ接続』に対応していないです。
ではこの『バイアンプ接続』に対応していないパッシブクロスオーバーがどのようなものかと言いますと、
ナビゲーションやオーディオプレーヤーから送られてくる音楽信号を入力して、パッシブクロスオーバーの中でツィーター用のハイパスフィルター(高音だけを通すフィルター)とドアスピーカー用のローパスフィルター(中・低音だけを通すフィルター)に分配して、ツィーターやドアスピーカーに音楽信号を送り出します。
こういった、「もともと1つの信号を2つに分けてるいパッシブクロスオーバー」がバイアンプ対応していないものになります。
ではバイアンプ対応しているパッシブクロスオーバーはどういったものかと言いますと、
音楽信号の入口が1つではなくて2つ用意されていて、ツィーター用のハイパスフィルターの入り口、ドアスピーカー用のローパスフィルターの入り口が2つ設けられている形になります。
なので僕はこういう信号の入口が2つ設けられていて、信号の出口が2つあるパッシブクロスオーバーを「2イン2アウト」のパッシブクロスオーバーと呼んでいます。(僕の中ので呼び方ですので正式ではないです)
こういうタイプのものが『バイアンプ接続』対応のパッシブクロスオーバーになります。
あとはハイパスフィルターとローパスフィルターが独立した2つのパッシブクロスオーバーになってるモデルもありますので、こういったタイプのパッシブクロスオーバーも『バイアンプ接続』対応のパッシブクロスオーバーということになります。
他にもちょっと変則的なパターンにはなりますが、スピーカーの中にはパッシブクロスオーバーが付属してくるのですが、このパッシブクロスオーバーがハイパスフィルターのみの設定のスピーカーもあります。
ですのでドアスピーカーの方はフィルターを通らない全帯域の信号を送り出す設計になっています。
こういうパッシブクロスオーバーが『バイアンプ接続』対応と言われていることは少ないですが、ツィーターにはハイパスフィルター、ドアスピーカーにはフィルター無し、という接続になるのでこのタイプのパッシブクロスオーバーも『バイアンプ接続』が出来るタイプのパッシブクロスオーバーということになります。
最後にさらに変則的なパターンになるのですが、通常の「1in・2out」のパッシブクロスオーバーが付属しているスピーカーでも同じ「1in・2out」のパッシブクロスオーバーをもう1組追加で用意すれば、片方のパッシブクロスオーバーではハイパスフィルターだけを使い、新しく用意したもう1つのパッシブクロスオーバーでローパスフィルターだけを使うことで『バイアンプ接続』が可能になります。
ただこの場合は追加でパッシブクロスオーバーを用意することになりますので、その分上乗せで費用がかかります。
ですが、多少の費用がかかっても大丈夫ということであれば、ほとんどのスピーカーで『バイアンプ接続』が出来るようになります。
ここまでが『バイアンプ接続』どういった接続の仕方なのか、あとは対応している・対応していないパッシブクロスオーバーがあります。という内容でしたが、次に『バイアンプ接続』で得られる効果・メリットについてです。
まず1つ目が、(フロント、前からだけ音が鳴れば良いという方限定のメリット)
オーディオプレーヤーやナビゲーションに内蔵されている4チャンネルアンプ全てをフロントスピーカーを鳴らすことに使うことが出来るようになるので、1スピーカーに対して多くのパワーをかけることが出来るようになります。
それによって通常の接続よりもパワー感のある鳴らし方が出来るようになります。
では『バイアンプ接続』をして1スピーカーによりパワーをかけれるようになることでどれだけ変わるのか・音質が良くなるのか、というところですが、実際は鳴らしているアンプが内蔵アンプになりますのでどれだけアンプのパワーをフルに使えたとしてもやはり外部アンプには敵わない、というのはあります。
なので内臓アンプのパワーを生かし切る!ぐらいの感じで思ってもらえたらいいかと思います。
先程のパワー感の向上というのも『バイアンプ接続』のメリットではありますが、それ以上にメリットを感じやすいのが「タイムアライメント」機能が付いてるナビゲーションだったりオーディオプレーヤーで『バイアンプ接続』をした時になります。
マルチ接続対応のユニットの場合はわざわざ『バイアンプ接続』をしなくてもマルチ接続で1スピーカー毎にタイムアライメント機能を使っていくことが出来るのですが、マルチ接続が出来ないユニットの場合だと1アンプでツィーターとドアスピーカーを鳴らす接続方法になります。
タイムアライメントは基本的にアンプから出力される音楽信号の出力タイミングを意図的にズラす機能なので、通常の接続では右スピーカーと左スピーカーの出力タイミングをズラすことが出来ても、右同士(右ツィーターと右ドアスピーカー)や左同士(左ツィーターと左ドアスピーカー)のタイミングをズラすことが出来ません。
なので細かなタイミングの調節が出来なくなります。
ですが、『バイアンプ接続』をして1アンプ・1スピーカーの接続を行えば、右スピーカーと左スピーカーはもちろんのこと、右同士や左同士の出力タイミングを個別にズラすことが出来るようになり、結果として「明確な定位だったり・奥行き感」というものが感じられるようになります。
これが『バイアンプ接続』で得られる1番のメリットだと思ってます。
最後に『バイアンプ接続』をする際に大きなメリットを得られやすいナビゲーションだったりオーディオプレーヤーですが、先ほどもお伝えしたようにタイムアライメント機能が内蔵されているユニットだと思っています。
このユニットを具体的に言うと、カロッツェリアだと「楽ナビ」や「ミドルクラス以上のオーディオユニット」、ケンウッドなら「彩速ナビ」や「ミドルクラス以上のオーディオユニット」、アルパインなら「ビッグX」などになります。
こういったモデルにはタイムアライメントまたはタイムディレイやタイムコレクションといったアンプから出力されるタイミングを意図的にずらして、耳に届くタイミングを揃える機能が内蔵されています。
上記の機能があるユニットで『バイアンプ接続』をすれば先ほどあげたメリットの「明確な定位感だったり綺麗な定位感」が感じれるようになります。
ただデメリットがあるとするとマルチ接続の時と同じで、内蔵されているアンプの出力を全てフロントのスピーカーに繋げるので、後ろのスピーカーが鳴らせなくなります。
あともう一つデメリットで、ナビゲーションで『バイアンプ接続』をした時ですが、ガイド音声が聞き取りにくくなります。
ほとんどのナビゲーションで道案内などのガイド音声がフロントスピーカーから、もしくは右前スピーカーから鳴るような設定になっています。
『バイアンプ接続』をしてしまうとツィーターもしくはドアスピーカーからしかガイド音声が出なくなります。
この場合フロント信号をツィーターに繋げてしまうと高音だけのガイド音声になってしまいほとんど聞き取れなくなってしまうので、お勧めとしてはフロント信号はドアスピーカーに接続してドアスピーカーからガイド音声が出るようにする方です。
ただこの場合もローパスフィルターがかかってしまいますので、高音がカットされた音、イメージとしてはマスクをつけてる人のような少しこもったようなガイド音声になってしまうのがデメリットです。
上記のようなデメリットはありますが、後ろのスピーカーが鳴らなくてもいい・ガイド音声がちょっと聞き取りにくいぐらいなら気にしない。という方にとっては『バイアンプ接続』は音質的なメリットが多くk、非常にオススメな接続方法となりますので検討されてみてもいいと思います!
といった感じで「カーオーディオ基礎講座」ページではカーオーディオの用語解説みたいなことだったり雑学みたいなところをお伝えさせてもらってます。
少しでもタメになったな、と思っていただけた方はまた次回も見ていただけると嬉しいです(^ ^)
文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
内容としましてはほとんど同じ内容をお伝えしております。