こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。
それでは早速始めていきましょう!
前回アウターバッフルについてお伝えしたのですが、今回は『インナーバッフルとアウターバッフルの違い』を5つの特徴を挙げてそれらを比較する形でお伝えして行こうと思います。
インナーバッフルとアウターバッフルの違いを5つあげるとお伝えしましたが、その5つは
1.料金・金額
2.音質
3.デザイン・見た目
4.対応するスピーカー
5.取り付け場所
上記の5つです。
それでは早速ですがこの5つの特徴比較の結論をお伝えしますと、
1.料金・金額
インナーバッフル
比較的お手頃、お安く済ませやすい
アウターバッフル
比較的金額がかかりやすい・高額になりやすい
2.音質
インナーバッフル
ちょっと不利な条件
アウターバッフル
音質を良くしやすい
3.デザイン・見た目
インナーバッフル
変わらない
アウターバッフル
変わる・もしくは変えることができる
4.対応するスピーカー
インナーバッフル
車種によっては種類が限られる
アウターバッフル
ほとんどのスピーカーが取り付け可能
5.取り付け場所
インナーバッフル
基本的に純正位置から移動出来ない
アウターバッフル
ある程度好きな場所に移動させることが可能
『インナーバッフルとアウターバッフルの特徴を5つ』あげて比較をすると上記のようになります。
まずは結論からお伝えさせていただきましたが、ここからその結論について少しずつ解説させていただきます。
まずは1つ目の『料金・金額』についてですが、
これは取り付けにかかる費用というイメージなのですが、これはインナーバッフルやアウターバッフルを製作・取り付けを行う時間が大きく関わってきます。
『インナーバッフル』の場合ですと既製品がお手軽な価格でもあったりしますし、専門店などでオリジナルで製作する際にもアウターバッフルに比べれば製作にかかる時間というのは短くすみますので費用というのは抑えることが可能です。
ただ、インナーバッフルの材質をこだわったり(アルミ製や積層合板製など)するとそれなりに費用はかさむ形となります。
インナーバッフルに対して『アウターバッフル』は色々加工が必要になります。
例えばインナーバッフルかさ上げしてきて内張の外(車内側)までスピーカーを出そうと思えばインナーバッフルを何枚分も製作しなければならなくなりますし、アウターバッフル化するために内張りをカットしますので その後に見た目を整えるためにパテなどを使って形を整える必要もあります。
そのような製作・加工を行うとどうしても時間がかかりますので工賃という形で料金・金額というのは高額になりやすいです。
仮に専門店などに依頼せずに自分でアウターバッフル製作を行なったとしてもやはり材料はインナーバッフルより多く必要となりますので比較をするとアウターバッフルの方が高額になりやすいです。
次に2つ目の『音質』についてですが、
『インナーバッフル』でスピーカーを取り付けるとスピーカーは純正内張りの中に取り付けることになります。
純正内張のスピーカーグリルは音の透過率が低いです。
『透過率』というのは音の通り抜けやすさなのですが、透過率が低いということは音が通り抜けにくい。ということになります。
音が通り抜けにくいということは純正内張があることで『音の邪魔』をしてしまっていることになります。
もちろん邪魔されるということは音が悪くなる可能性が高いということです。
それに対して『アウターバッフル』はその純正内張のスピーカーグリルを切って、スピーカーが見える状態にする加工です。
なので音の透過率はとても高いです。
スピーカーが露出したままだと蹴ってしまう可能性があるのでスピーカーに付属してくるスピーカーグリルを取り付けることもありますが、このスピーカーに付属してくるグリルは純正内張のグリルと比べると随分と音の透過率が高いですので音の邪魔をしにくいです。
結果としてアウターバッフルはインナーバッフルに比べると音を良くしやすい。ということになります。
次は3つ目の『デザイン・見た目』についてですが、
『インナーバッフル』でスピーカーを取り付けると先ほどもお伝えしたように内張りの中にスピーカーが収まります。
ですので見た目の部分は変化がありません。
見た目が変わらないと言いましたが、スピーカーグリルを覗きこむとフォーカルのような黄色いコーン(振動板)のスピーカーの場合だと黄色が透けて見えます。
そういう意味では少し見た目が変わっていると言えるかもしれませんが、形については変わらない取り付け方法となります。
それに対して『アウターバッフル』というのはずっとお伝えしていますが加工をしてスピーカーが見えるようにする取り付ける方法です。
ですのでスピーカーが見えるようなった時点でデザインが変わっていることにもなります。
後は極端な例えになりますが、思い切ってドア下半分を使ってアウターバッフルを作った場合は大胆にドアのデザインを変えることなども可能となります。(ただ、大掛かりな作業となりますので費用はかさんでしまいますが)
なのでアウターバッフルはドアのデザイン・見た目が『変わる・変えることが出来る』のが特徴ではないかと思います。
そして4つ目の『対応するスピーカー』についてですが、
『インナーバッフル』でスピーカーを取り付ける際は取り付け可能なスピーカーが車種によって限られます。
というのが、内張の中にスピーカーを取り付けようと思った時に、スピーカーを取り付ける部分の奥にある「鉄板orサイドガラスを開けたときのガラスまでの距離」から「内張」までの距離。この距離・空間の中に収まる「サイズ」のスピーカーでなけらばならないからです。
あとは純正スピーカーのサイズが10cmのものが取り付けられていた場合は基本的に10cmのスピーカーしか取り付けが出来ません。
仮に頑張って16cmや17cmのスピーカーを取り付けたとしても内張のスピーカーグリルが10cm用のサイズのことが多いですので音の透過性が極端に悪くなり、16cmや17cmスピーカーの良さを完全に出し切ることが難しくなります。
そういう意味でも取り付け口径も車種によっては制限されます。
この距離・空間や口径サイズについては車種によって変わってきますので一概には言えないですが、車種によってはインナーバッフルでスピーカーを取り付けようと思った時に対応するスピーカーが限られることがあります。
それに対して『アウターバッフル』というのは制限が少なくなりますのでほとんどのスピーカーが対応するようになります。
まずアウターバッフルというのは内張をカットしてスピーカーを見えるようにする加工です。
なので距離・空間の制約となる内張側が無くなる形となります。
ということはスピーカーの奥行きの制限が無くなります。
そして純正スピーカーが10cmの車両でも内張をカットしてしまえば透過性の問題もクリアできることになりますので16cmや17cmのスピーカーも取り付けが可能となります。
そして最後5つ目の『取り付け場所』についてですが、
『インナーバッフル』でスピーカーを取り付ける際には基本的に純正スピーカーが取り付けられている場所にしか取り付けが出来ません。
仮に他の場所へ移動させて取り付けをしたとしてもスピーカーから出た音が車内に入るための穴(スピーカーグリル)がありません。
なので違う場所に移してしまうと音が内張の中に籠ってしまい車内の入りにくくなり、かえって音が悪くなってしまいます。
なのでインナーバッフルの場合は取り付け場所を変えることが出来ないことになります。
それに対して『アウターバッフル』はある程度好きな場所へ移動させてスピーカーを取り付けることが可能です。
もちろんすごく極端な場所へ移すことは取り付けが難しくなったり、逆に音が悪くなってしまうケースもあったりします。
ここでスピーカー取り付け位置を移動させる例えなのですが、ひとつ前の型の「ジムニー」ですと純正スピーカーはダッシュボード上に10cmのものが取り付けられています。
ダッシュボードですとスペースが限られますので10cmスピーカーより大きなスピーカーを取り付けることはかなり困難です。
大掛かりな加工を施せば16cmのスピーカーも取り付けることが出来るかもしれませんが、見た目が歪になったり、加工費用が大きくなることが予想されます。
それよりもスピーカーの取り付け位置をドアに移動させて、ドアにアウターバッフルを製作し取り付ける方が自然な仕上がりとなりますし、費用的にもドアに取り付ける方が抑えられる可能性もあります。
と言った感じで特徴を5つあげて『インナーバッフルとアウターバッフル』を比較とその理由をお伝えさせていただきました。
この特徴と理由を参考にしていただいてドアスピーカーの取り付け方法を『インナーバッフル』にするのか『アウターバッフル』にするのかの参考にしていただければ幸いです。
最後に少し余談ですが、インナーバッフルとアウターバッフルについてお伝えするに当たって『バッフル』という言葉が気になったのでちょっと調べてみました。
僕は英語が得意ではないので断言は出来ないですが、インターネットの翻訳機能で『バッフル』と検索すると「邪魔する」と言った感じの意味になるようです。
なんで「邪魔する」なんだろうと思ってもう少し調べてみたところ、ここから来たのかな?というものを見つけました。
それはホームオーディオの用語なのですが、
ホームオーディオの場合、スピーカーは基本的にエンクロージャーという箱に取り付けて鳴らしています。
ですが、この箱型になる前、もっと原始的な方法としてはスピーカーを平面の板に取り付けて鳴らす。という方法があったようです。
この板はスピーカーの表側の音と裏側の音が交わり合わないようにするために用いられたようで『平面バッフル』と呼ばれています。
この表側の音と裏側の音が行き来しないように邪魔するための板だから『バッフル』と呼ばれるようになって、カーオディオの場合はその平面バッフルから習って『インナーバッフル』や『アウターバッフル』と呼ぶようになったのかな?と思いました。
ただカーオーディオの場合はインナーバッフルと言っても表側の音と裏側の音を遮るほどの大きな平面で作ることもありませんし、そもそもドアの鉄板に取り付けているのでその鉄板部分でそれなりにバッフル効果はあるのではないかな?とも思いました。
そう言ったことから改めて考えると、もしかしたらカーオーディオの場合は『バッフル』というよりは『ベース』や『マウント』と読んだ方が言葉の意味合いとしてはしっくりくるのではないかと思いました。
例えば『インナーベース』や『アウターベース』、『インナーマウント』や『アウターマウント』と言った呼び方の方が正しいのかな?と思います。
だからと言って上記のように呼び方を変えましょう!と言うつもりもありませんので、ちょっとした小ネタとして覚えてたらもしかしたら面白いかもしれないと思ったので余談としてお伝えさせていただきました。
と言った感じで特徴の比較だったり、基本的な知識や後は最後の小ネタみたいなことをお伝えさせて頂いてます。
今回の内容が面白かったなと思っていただけた方はまた次回も見ていただけると嬉しいです(^^)
文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
内容はほとんど同じ内容となっております。