車のスピーカーを交換する際、スピーカー選びの要素・考えると良いこと

今回は、車のスピーカー交換をする際にスピーカーを選ぶ際の要素やスピーカーを選ぶ際に考えると良いことをお伝えしたいと思います。

スピーカー交換とは

車のスピーカー交換とは、純正のスピーカーを外して、市販のスピーカーを取り付けることです。

車を購入した際に最初から取り付けられているスピーカーを純正スピーカーと呼びますが、この純正スピーカーは、ほとんどの場合コストが抑えられていて音質で満足出来ない場合があります。

純正スピーカーの音質に満足出来ない方は市販のスピーカーへ交換することで音質を向上させることができます。
そしてより自分好みの音を奏でてくれるスピーカーを選ぶことで純正のスピーカーを取り付けている時よりも音楽をより楽しむことが出来るようになります。

スピーカーを交換する際にどのスピーカーがおすすめですか?

スピーカーを交換する前にどのスピーカーを取り付けるのか、スピーカー選びをする必要があります。
そのスピーカー選びをしている方に「どのスピーカーがおすすめですか?」といった質問を良くいただきます。

良いスピーカーやおすすめしたいスピーカーはたくさんありますが、その方に音の好みに合っていない、車の取り付け条件に合っていない、などご希望の条件に合わないものではダメだと思っています。

ですので取り付けるスピーカーを選ぶ際に考えていただきたい条件やお店のスタッフにおすすめを聞いた際に条件に合うスピーカーを紹介してもらいやすくなるような、伝えると良い要素などについてお伝えしていきます。

スピーカーを選んで行く際に考えていく要素について

それではスピーカーを選んでいく際の考えていただきたい要素・条件の主なものをお伝えします。

1.予算

2.音質・音色

3.見た目が変わっても大丈夫か

4.取り付け条件(奥行きなどの物理条件)

5.スピーカーサイズ(口径サイズ)

6.スピーカー構成(2Way・3Wayなど)

7.スピーカー以外のシステム状況

8.加工取り付け

9.システムアップ予定の有無

上記9つになります。

内容的に少し似たところもありますし、これで全てというわけでもありません。そして9つ全てを考えなければならないわけではないのですが、スピーカーを選ぶ際に参考になりますので1つずつお伝えしていきます。

1.予算

まずは予算についてです。
何をするにしても予算というものは付いて回る話です。ですので、スピーカー交換・スピーカー選びにも重要な要素になります。

というのが、予算が10万円であれば10万円以内の選択肢、予算が50万円なら50万円までの選択肢が選べるようになるからです。
もちろん予算が50万でも10万円の選択肢が魅力的でれば10万円の選択肢を選ぶことができます。ということは予算が10万円より予算が50万円の方が選べる選択肢が多くなります。
また、これから紹介する条件をより多くクリアできる可能性があります。

そしてスピーカー交換を今までしたことない方だと「予算感がわからない、いくら位かかるのかわからない」とおっしゃられる方もおられます。

初めての方はその通りだと思います。
その際には予算以外の要素や希望をできるだけ伝えていただければ、その要素や希望を叶えるためにはどれくらいの費用がかなりそうなのかをお伝えすることもできます。

その他にも「いくらくらいで」「マックスいくらまで」といったふわっとした目安となる金額を伝えることでその目安の金額の中での選べるものやおすすめスピーカー、取り付け方法などの紹介もしやすくなりますので、なんとなくでも予算感を持っていただくと良いと思います。

2.音質・音色

スピーカーを選ぶ際に一番重視していただきたいのが『音質・音色』です。
スピーカー交換をしたい!という方は純正スピーカーの音質に満足出来なかった方や、もっと良い音で音楽を楽しみたい方だと思います。

なので一番重視していただきたい要素としてはこの『音質・音色』になります。
とはいえ、ご自身の好きな音質や音色を把握されておられる方も少ないですし、把握していたとして言語化出来る方はとても少ないです。
そして言語化できたとしてもその言葉を伝えるあなたと、その言葉を聞く相手が同じ表現方法とは限らない、という難しいところがあります。

なので『音質・音色』でスピーカーを選ぶ際の一番のおすすめは実際に聴いてみることです。
一般に試聴と言われますが、簡単にいえばスーパーの試食と同じように、スピーカーの音を試し聴きすることです。

そうすることで言語化できなくても「このスピーカーの音が好き」といった感じの表現ができますし、2、3つ好きな音を奏でるスピーカーがあれば好きな音の傾向を考えさせていただくこともできます。
それならこのスピーカーの音も好きかもしれないですよ!といったご提案も出来るようになります。

3.見た目が変わっても大丈夫か

スピーカー選びで次に考えていただきたい要素が見た目の変化です。
見た目の変化について一番多いのがツィーターの取り付けです。

高音を鳴らすスピーカーであるツィーターは純正の状態ですでに取り付けられていればその純正と入れ替えで社外のツィーターを取り付けることも可能です。
ですが、純正の状態で取り付けられていなかったり、純正取り付けスペースよりも大きなツィーターを取り付けようと思った際には純正位置には取り付けが出来ません。
そうなるとダッシュボードの上に取り付ける方法や加工して取り付けるなど見た目が少なからず変わってしまう取り付け方法を選ぶことになります。

見た目が変わることに抵抗がない方にとっては「そのツィーターを取り付けるためには仕方ないことだから大丈夫」となると思いますが、見た目を変えたくない方にとっては大きな問題だったりします。
そうなると見た目を変えることなく取り付け可能なスピーカーを選ぶ必要が出てきます。

このように見た目が変わることへの抵抗感やどこまでの変化なら許容できるのか、といった点もスピーカー選びには影響してきますのでイメージするのは難しいかもしれないですが、事前に考えていただきたい要素になります。

4.取り付け条件(奥行きなどの物理条件)

スピーカー選びの次の要素は取り付け条件になります。
これは色々な要素と関係している部分ではありますが、主にドアスピーカーの話になります。
ほとんどの車のスピーカーはドアに取り付けられています。
このドアのサイズや形状はそれぞれ違いますので取り付け可能なスピーカーの条件が変わります。
主に変わるのはスピーカーの取り付け奥行きです。
奥行きがとても深いスピーカーを取り付けることが可能なドアもあれば、とても浅いスピーカーしか取り付け出来ないドアもあります。
このように交換したい車両がどれくらいの奥行きのスピーカーまで取り付け可能なのかわかっていると取り付け出来ないスピーカーを選択肢から外すことが出来ます。
選択肢から外すというと少しネガティブな感じもしますが、選択肢が少なくなれば選択がしやすくなるというふうに考えればポジティブに考えられると思います。

奥行きの浅いスピーカーしか取り付けができないドアでも加工をすることで奥行きの深いスピーカーを取り付けることができるようになります。

ただ、その際には加工をしますので加工費用が多くかかります。そして見た目が変わる加工になります。

と考えると取り付け条件は予算や見た目についても関わる要素になってきます。

5.スピーカーサイズ(口径サイズ)

次にお伝えする要素としてスピーカーサイズ(口径サイズ)があります。
スピーカーサイズとは、スピーカーの口径サイズです。口径サイズは、スピーカーの直径を表します。

口径が大きいほど音が良いと思われておられる方もおられますがそういうわけではなく、一般的には、口径サイズが大きいほど低域の再生能力が高くなります。逆に口径サイズが小さいと中・高音の再生能力が高くなる傾向があります。

とはいえ口径サイズだけで音質や能力が決まるわけではないので口径サイズで全てを判断することはできません。

メーカーやモデルによっても違いがありますし、他の要素も影響します。

ただ、上記のような傾向があるのは事実ですのでそれらを踏まえてスピーカーの口径サイズを考える必要もあります。

ですが、スピーカーを交換するとなりますと実際に取り付けのことも考慮する必要があります。
それは、純正のスピーカーの口径サイズが何cmなのか、といったところです。
基本的には純正スピーカーと同じかそれ以下の口径サイズであれば大きな加工を必要とせず取り付けることができますが、純正スピーカー以上の口径サイズとなりますとほとんどのケースで加工が必要になります。

なのでスピーカーを選ぶ際には現在取り付けられている純正スピーカーの口径サイズがどれくらいなのか、そして同じくらいの口径のスピーカーを取り付けるのか、それとも意図的に今よりも口径の小さいものを選び、取り付けるのか、などの選択をすることになります。

6.スピーカー構成(2Way・3Wayなど)

次はスピーカー構成についてです。
スピーカー交換する際に、新しく取り付けるスピーカーの構成も考える必要があります。

スピーカーの構成とは、低音から高音までの全帯域を何種類のスピーカーに分けて再生するかということです。

具体的には、

・フルレンジスピーカー:1つのスピーカーで全帯域を再生する

・2Wayスピーカー:中・低音域用のスピーカー(ウーファー、ドアスピーカー)と高音域用のスピーカー(ツィーター)に音域を分けて再生する

・3Wayスピーカー:低音域用のスピーカー(ウーファー、ドアスピーカー)と中音域用のスピーカー(ミッドレンジ)と高音域用スピーカー(ツィーター)に音域を分けて再生する

3Way + サブウーファー:3Wayスピーカーの状態にさらに低音域用のスピーカー(ドアスピーカー、ウーファー)では再生できないさらに低い低音域を担当するサブウーファーを追加して再生する

などがあります。

一般的に、スピーカーの構成が多いほど、音域ごとに専用のスピーカーがあるため、音質が向上します。
しかし、スピーカーの構成が多いほど、スピーカーの金額も高価になりがちですし、取り付け場所の選定や加工、ケーブルの配線などが複雑になります。結果として取り付けるための費用が高くなりやすいです。

そのため、スピーカー交換する際には、音の好みや達成したい音質、予算などを考慮しながら、最適なスピーカー構成を選ぶ必要があります。

最後に補足になりますが、サブウーファーは帯域を分けるというより補足する、追加するといった感じがありますので、フルレンジスピーカーから3Wayスピーカーまでどの構成にも追加を検討できるスピーカーになります。

7.スピーカー以外のシステム状況

スピーカー交換を検討する際にスピーカー以外のシステム状況も考慮するとより良いスピーカー選び、スピーカー交換が出来ることがあります。

例えば

・プレーヤー(カーナビやオーディオ機)は純正品なのか、社外品なのか。

・純正のサウンドオプションが搭載されているか。

・プレーヤーが社外品の場合には音質調整機能は豊富か。

・アンプやサブウーファーなどオーディオユニットが取り付けられているか。

などのことがあります。

これらが全てのケースで影響する、ということでもないのですが、場合によってはより良い選択肢を選ぶことができたり、お得な組み合わせが選べたり、相性の良いものを選ぶことができるようになったりすることがあります。
もちろん逆にスピーカーの選択肢が限られることもあります。
選択肢が限られるというとネガティブなように感じますが、スピーカーを選ぶ前、購入する前にスピーカーが限られていることが分かれば、間違ったものや対応しないものを購入することもなくなりますし、仮に取り付けることができても相性が悪く、スピーカー交換の効果が発揮しきれない、などということも避けられます。
そう考えるとスピーカーの選択肢が限られることも先に知っておくことはメリットとなります。

8.加工取り付け

次に考えるべきことはスピーカーを取り付ける際に見た目が変わる加工をするかどうかです。

加工とは、ドアの内張パネルやピラー部分を切ったり穴を開けたりして、市販のスピーカーを取り付けることです。

切ったり、穴を開けたりしますのでそのままではもちろん見た目が悪くなります。

なのでパテなどを使い形状を整え、レザー調やスェード調の布を貼り付けることで仕上げを馴染ませたり、逆に目立たせたりして仕上げます。

パネルなどを切ったりすることで物理的な制約を回避することができるようになりますので、加工無しの状態では取り付けることが出来ない奥行きの深いものや、純正よりも口径の大きなスピーカーを取り付けることが出来るようになります。

また、加工をすることで、スピーカーの位置や角度を変えることもできます。

これによって、スピーカーの特性をいかしたり、弱点を補うことも出来るようになりますので、結果として音質の向上が見込めます。

しかし、加工をすると、見た目が純正の状態ではなくなりますし、下取りなどの際に査定額が変わる可能性もあります。(もちろん元の状態に戻せば査定額には影響しないと思います)

ここまでは音質的な部分で加工をお伝えしましたが、違った観点で加工取り付けを捉えることもできます。
それはカスタムの一環として加工することです。

加工をすることで見た目が変わります。と言うことはオリジナルの状態になっていることになります。
取り付け可能なスピーカーの選択肢を広げる、音質を向上させる、といったオーディオ的な視点ではなく、自分だけの1台を仕上げるためスピーカーを加工して取り付けると言うことは面白い選択肢になると思います。

9.システムアップ予定の有無

最後にお伝えするのは今後のシステムアップについてです。

まずシステムアップとはスピーカーの他に外部アンプを追加したり、サブウーファーを追加したり、DSPを追加したりとオーディオのシステム構成を強化していくことになります。

ではスピーカー交換する際に今後のシステムアップまで考えると良い理由ですが、今後のシステムアップの有無も考えておくとより良い選択肢が出てくることがあるからです。

例えば今後システムアップをする予定がない場合ですが、

シンプルにスピーカーだけ交換しようとした際は現状の状態でも性能を出しやすいスピーカーを選ぶ方が良い傾向にあります。

と言うのも、スピーカーの中には外部アンプを追加してしっかりとパワーをかけて鳴らした方が魅力を発揮するスピーカーもあります。
そういったスピーカーを純正ナビの内蔵アンプで鳴らした際には何か物足りない感じになってしまうことがあるからです。

そうなるとシステムアップする予定がなかったけどやっぱり外部アンプを追加しよう!となるか、スピーカー選び失敗したかなぁ、となってしまいます。

次にシステムアップをする場合ですが、

先ほどの外部アンプを追加した方が魅力を発揮するスピーカーになりますが、こういったスピーカーは外部アンプが無いと魅力が発揮出来ない、難しいスピーカーと考えられ、デメリットに捉えられることもあります。

ですが、そういったスピーカーでも内蔵アンプでも魅力的な音を鳴らします。そして外部アンプを追加することでさらに魅力的になります。

難しいスピーカーというわけではなく、能力の上限が高い、伸び代が大きいスピーカーともいえます。

伸び代が大きくあるということはシステムアップしていく際にそのスピーカーを軸としてアンプを追加するなどしてどんどんと音質があがっていく、楽しみがあるスピーカーといえます。

ですので、少しずつシステムアップをしていきたいという方には最初に伸び代のあるスピーカーを選んでおくことも良い選択肢になるかと思います。

システムアップを含めてスピーカーを考える際の例を外部アンプを例に出しましたが、他にもサブウーファーを追加する際、DSPを追加する際、などなど他にもあって事前に考えるのは難しいかもしれません。

ですが、そういうこともあるのか、と頭に入れておいていただくと少しかもしれませんがスピーカー選びの参考になるかと思います。

ぜひ要素を考えてみてください

といった感じで車のスピーカーを交換する際、スピーカー選びをする際に考えると良いこと、選ぶための要素などをお伝えしてきました。
色々とお伝えさせていただきましたので考えることが多くてネガティブになられたかもしれません。
ですが、スピーカーを変えるということ、そしてそのスピーカーを選んでいくことはとても楽しいことです。
なのでぜひ楽しみながらスピーカーを選んでいただければと思います。
そして一人ではわからないことや考えがまとまらないこともあります。
その際にはご来店いただきましたらスピーカー選びのお手伝いをさせていただきます。

音楽や音質の好みは食べ物の好みと同じように人それぞれ異なります。
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