こんにちは!当ページでは車の中で音楽を楽しむためにプレーヤーをどうやって良くするかについてお話ししたいと思います。
プレーヤーとは車に取り付けられているナビゲーションやオーディオ再生機などの音楽情報を読み取り出力するものです。
機種によっては音質の調整を行い、内蔵されているアンプで信号を増幅し、出力するユニットです。これらの機能はオーディオ専用機だけでなく、ナビゲーションにも含まれる機能となっています。
オーディオ機とナビゲーションをまとめて表す言葉が『カーオーディオ』くらいしかなく、これらを『カーオーディオ』と呼んでしまうと少しややこしくなりますので、分かりやすくするためにオーディオ機とナビゲーションをまとめて『プレーヤー』と呼ばせていただきます。
車で良い音を聞くための方法としていくつかありますがその中に『プレーヤーを良くする』方法があります。
ほとんどの方にとっては音をよくしようと思えばプレーヤーを交換することが最適解と思われている方が多い様に思います。
そしてプレーヤーを交換する際に『音が良いと言われているもの』や『音質にこだわっている』とカタログに記載されているものを選べば良いと思っていませんか?
もちろんそれも間違いではないのですが、あなたが望む音や目指すものが分かればより最適なプレーヤーを選ぶことができるようになります。
なのでプレーヤーを選ぶ際の参考となるポイントをお伝えしていこうと思います。
ではカーオーディオの音を『プレーヤー』で良くしようと思った際にどれを選べば良いかのポイントをお伝えしていきます。
ただ、プレーヤーはナビゲーションも含まれますので実際にはいろいろな要素でユニットを選んでいくことになると思います。
そうなると話がどんどん複雑になっていきますので、今回はあくまで『音・音質』に集中してお伝えします。
そのポイントは以下の3つです。
1.音質調整機能
2.対応スピーカー構成
3.再生可能ファイル
です。
では次からは上記の候補をもう少し詳しくお伝えしていきます。
車の中はオーディオを良い音で聴くのに適した空間ではありません。
その理由は様々ですが、車の中で少しでも良い音を聴くためにとても重要なものが『音質調整機能』です。
音質調整機能はオーディオを聴くのに適していない『車の中』という条件に対して音の方を補正することで、理想的な条件で聴いている状態に近づけるものです。
しかし、この音質調整機能を使いこなすのはなかなか難しいものです。
なぜなら、機能の一つ一つが何のための機能か、どのような効果があるのか、どのように使うのか、を把握しておく必要があるからです。
ですが、この音質調整機能を使いこなしていくことで車の中で良い音を聴くことができるようになります。
音質調整機能は多くの調整機能が使えるプレーヤーが良いのですが、多くの調整機能を持ったプレーヤーは高価なものがほとんどです。
そこで、一部しか機能がなかったとしてもどの機能がどういう役割があるのか知っていただくためにも『音質調整機能』の中でも特に重要な機能3つとそれらの効果について簡単にお伝えしていきます。
最初にタイムアライメントです。
メーカーによって呼び方が違うこともありますが、一番多い名称はタイムアライメントで、そのほかにはタイムディレイなどとも呼ばれます。
この機能は音の出力タイミングを意図的にずらすことで耳に到達するタイミングを整える機能です。
オーディオを聴く環境で理想なのは左右のスピーカーから等距離に座って聴くことです。
その場所で聴くことで左右の音が同時に耳に到達します。
そうすることでアーティストやエンジニアが思い描いた音や音場感やステレオ感などを感じることができます。
しかし、車の場合には基本的にセンターにシートはなく、左右どちらかにシートが偏っています。結果として必ず左右どちらかのスピーカーが近く、反対側は遠くなってしまいます。
ホームオーディオなどでは着座位置やスピーカーの位置を動かして左右等距離にすることができますが、車の場合にはそれが出来ません。
そこでスピーカーから発せられる音のタイミングをプレーヤーの方で意図的にずらして、耳に到達するタイミングを合わせることで理想的な場所で聴いている状態と同じような状態を作り出す機能なのです。
左右の音が耳に届くタイミングが整うことで得られる効果は、アーティストやエンジニアが思い描いた音や音場感やステレオ感などを感じることができます。
そうすることによりボーカルや楽器の位置がはっきりとします。
ボーカルはほとんどの音源で真ん中に配置されていますので、車内では自分の正面やダッシュボードの中央付近で歌っているような感覚で聴こえてきます。
タイムアライメントがきちんと整っている車両で初めて音楽を聴かれた方には、ダッシュボード付近を触る方がいらっしゃいます。
なぜダッシュボードを触るのか聞いてみると、「この辺から音が聴こえるからスピーカーがあるのかと思って確認してみた」とおっしゃられます。
そこにスピーカーがあると思わされるほどにタイムアライメントが整った音はインパクトがあるものなのです。
音質調整機能として重要なものにクロスオーバー機能があります。
こちらは簡単にいうと、高音だけの信号や低音だけの信号や中音だけの信号を作り出す機能です。
こう聞くとそんなことしてどうするのかと思われるかもしれませんが、プレーヤーからの音声信号を帯域ごとに分けて、その帯域を得意とするスピーカーに送り出す、そのようにしてスピーカーごとに役割分担をすることで高音質化することができるのです。
具体的には高音を鳴らすのが得意なスピーカーにツィーターがあります。
ツィーターは高音を鳴らすのが得意なので高音だけの信号にして送り出してあげることでより良い仕事が出来るようになり、綺麗な高音を奏でてくれます。
このようなクロスオーバー機能は通常はアナログ回路の『パッシブクロスオーバーネットワーク』というものが行なっています。
行なっていること自体はデジタルクロスオーバーもパッシブクロスオーバーネットワークも同じなのですが、プレーヤーに内蔵されているデジタルクロスオーバーが有利な点として『デジタル制御』ということが挙げられます。
デジタル制御なので高音信号を作り出す際にもどの周波数から上の高音なのか、を調整することができます。
4kHzから上なのか、5kHzから上なのか、といったような調整が基本的にボタン操作で簡単に行えます。
これがアナログ回路では簡単に調整が出来ません。
クロスオーバー機能がデジタルということで車両に合わせた微調整が素早く簡単に行えることが最大のメリットです。
結果としては狙った音や好みの音や音色に仕上げやすくなります。
狙った音や好みの音に仕上げやすいということは良い音に仕上げやすいということになります。
最後に音量レベル調整機能です。
こちらは単純にスピーカーから出力される音の大きさをコントロールする機能です。行なっていることはシンプルですが、重要な機能になります。
というのが、車の中でオーディオを聴く際にスピーカーからの距離がバラバラです。
近い場所のスピーカーがあれば遠い場所のスピーカーもあります。
この距離が違うことで聴こえる音量にバラツキが発生してしまいます。
具体的には距離が近い方が遠い方に比べて大きく、逆に遠い方は近い方比べて小さな音に聴こえます。
この聴こえ方の違いでバランスが崩れてしまいます。
なのでこのバランスが崩れて聴こえてしまっている状態を整えるために出力される音量をコントロールし、耳に届く際の音量を調整するものが音量レベル調整機能になります。
タイムアライメントやデジタルクロスオーバー機能が上手に使えていてもこの音量レベルがバラバラだと全体のバランスが崩れてしまうことがあります。
なので地味な機能ながら重要な機能になります。
プレーヤーを選ぶ際のポイントのひとつとして、対応スピーカー構成があります。
プレーヤーを選ぶ際にスピーカーのことまで考える方は少ないかと思いますが、この先システムアップをしていこうと思った際にシステムアップしずらいプレーヤーを選んでしまうとシステムアップの際にプレーヤーを交換なども検討しなければならなくなります。
システムアップに全く興味がない場合には、問題ありませんが、今後のことも少し考えながらプレーヤー選びをすると後々のシステムアップがしやすくなります。
ということでスピーカー構成がどういったものがあるか代表的なものを3つお伝えします。
フロントスピーカーとリアスピーカーの組み合わせは、最も一般的なスピーカー構成です。
この場合は、一般的な構成なので全てのプレーヤーが対応しているスピーカー構成となりますので何も気にすることなくプレーヤー選びをされて良い構成になります。
ちなみにフロントスピーカーだけのパターンでも同じになります。
そしてフロントやリアにツィーターやミッドレンジが追加されている構成、車メーカーが言うところの6スピーカーや8スピーカーの場合でも同じとなります。
次に、フロント重視のスピーカー構成をお伝えします。
通常のプレーヤーは、4チャンネルのアンプが内蔵されています。
この4チャンネルをフロントの左右とリアの左右に接続して信号を出力します。
しかし、この4チャンネルをフロントに集中させる接続方法もあります。
この接続方法に対応しているのは今ではカロッツェリアだけになっていますが、ネットワークモードと呼ばれています。
このネットワークモードで接続すると、2チャンネルでフロントのツィーター、もう2チャンネルでフロントのドアスピーカー(ウーファー)を駆動するようになります。
この方法では、プレーヤーが内蔵している4チャンネルのアンプをフロントに使うことでパワー的なメリットがありますが、それ以上に音質調整が細かく行えることが利点です。
オーディオの基本となるスピーカー構成はフロントスピーカー左右です。
後ろのスピーカーは必要ないという方や、フロントに集中したいという方は、ネットワークモードが使えるカロッツェリアのプレーヤーがおすすめとなってきます。
最後に、先程のネットワークモードのように1アンプ1スピーカーの接続をしながら、フロントスピーカーをツィーター、ミッドレンジ、ウーファーで3Way構成にする方法や、それ以上(サブウーファーを追加など)の構成にする方法をお伝えします。
残念ながら現在は、このような構成に対応しているプレーヤーはありません。
以前はカロッツェリアからフロント3Way+サブウーファーに対応しているプレーヤーがありましたが、生産終了となりました。
なので今からこのような本格的なスピーカー構成を構築する場合には、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)が必要となります。
プレーヤーが対応していないからといって、プレーヤーが不要になるわけではありませんが、本格的なスピーカー構成を目指す場合には、プレーヤーよりもDSPの導入や選定に注力することになると思います。
以前は音楽再生といえばCDでしたが、持ち運びに不便で、場所も多く必要でした。
それに比べるとSDカードやUSBメモリーは小さな筐体に多くのデータを入れることができるので、手軽に高音質な音楽を楽しめます。
最近はより手軽なBluetoothを使う方が増えていますが、カーオーディオの場合には高音質なBluetoothのコーデックに対応している機種が少ないので、高音質な音楽を楽しむのであればSDカードやUSBメモリーの方がおすすめです。
ここではSDカードやUSBメモリーを使う際の注意点と、より高音質な音源についてお伝えします。
まず、ファイル形式についてです。
MP3やAAC などの圧縮音源はデータを圧縮することで、少ないデータ量で音楽情報を持ち運べます。
便利なファイル形式ですが、圧縮すると音質は劣化してしまいます。
少しでも良い音で音楽を楽しみたいという方は、無圧縮のwavファイルや可逆圧縮(圧縮して保存するものの、再生時に元の状態に復元できる形式)のflacなどを選ぶと、データ量は多くなりますが、音質劣化がない状態で音楽を楽しめます。
次にプレーヤーについて気をつけていただきたいのが、再生可能ファイルです。
最近はほとんどありませんが、MP3しか再生できない機種もあります。
その場合は、せっかくのwavで保存してもファイルと認識出来ないため音楽を鳴らすことができません。
ですのでSDカードやUSBメモリーを使用する予定がある方は、再生可能ファイルも確認しておくことをお勧めします。
最後に高音質音源であるハイレゾについてご紹介します。
ハイレゾ音源は、簡単にいってしまうと音の良いファイルと言えます。
CDを基準に考えると、MP3は圧縮音源なのでデータは軽いですが、音質は悪くなるファイルです。
それに対してハイレゾはCDよりも多くの音楽情報を含んだものなので、データは重いですが、音質が良いファイルです。
音源が良ければオーディオシステムが同じでも良い音で聴くことができます。
音源にもこだわって良い音を聴きたいという方はハイレゾ音源も検討されると良いと思います。
ただし、プレーヤーも再生対応していなければ意味がありませんので、ハイレゾに対応しているかも事前に確認が必要です。
カーオーディオはプレーヤーを良いものにすることで音をよくすることができますが、音を良くするためのプレーヤー選びは考えることが多くて意外と大変です。
そして音質調整機能の話については理屈っぽいところも多く難しい話になります。
ですが、どのようにしたいのか、何が希望なのか?といったところをじっくり考えてみてください。
そうすることでより具体的にどんなプレーヤーが良いのか、自分にどんなプレーヤーが合っているのかが見えてくるはずです。
それでもどれが良いのかわからなくなった際や音質にとことんこだわりたいと思った際にはぜひカーオーディオの専門店を頼ってください。
当店はもちろんですが、他の専門店でもプレーヤー選びのお手伝いをしてもらえると思います。
また、音質に特化したプレーヤーを導入した際には音質調整と言う作業が発生します。
音質調整は専門店の腕の見せ所でもありますのでそこまで含めて専門店でプレーヤーを購入すると思えば高い買い物ではないと思いますよ!