こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。
それでは早速始めていきましょう!
カーオーディオ 基礎講座 第11回目のテーマは『安いスピーカーと高いスピーカーの違い』についてです。
今回はちょっと基礎知識とは違うかもしれないですが、安いスピーカーと高いスピーカー、何が違うのかっていうところをちょっとお伝えしていこうかなと思います。
スピーカーを選ぶとき、カーオーディオに限らないですがスピーカーは安いものがあったり高いものがあります。
もちろん安くて良いものがあればそれが一番いいのですが、安いものと高いもの何がどう違うのかいうのが気になるところじゃないかなと思います。
金額差を比べていくと色々あると思いますが、今回は主に分かりやすいところを簡単にお伝えして行こうかなと思います。
安いスピーカーと高いスピーカーの話をする際に参考になるかなと思いますして、当店の試聴ディスプレイに取り付けている2つのスピーカーを例にして話をして行こうと思います。
そのスピーカーは1つ目はドイツのヘリックスというブランドのP62Cです。
P62Cはパッシブネットワークまで含めた2Wayセットですが、こちらはミッドバス単品販売もありまして左右で25,000円(税抜)です。
2つ目はこれまたドイツのブラックスというブランドのグラフィックシリーズのミッドバスGL6です。
こちらはミッドバス左右で100,000円(税抜)のスピーカーです。
2つは価格差が4倍あるスピーカーになります。
なぜこの2つのスピーカーが安いスピーカーと高いスピーカーの話をする際に参考になるかと言いますと、こちらの2つはドイツにあるオーディオテックフィッシャーという会社が運営する姉妹ブランドだからです。
ブラックスの方がフラッグシップブランド 高い方のブランドです。
それに対してヘリックスが2番目のブランド、ミドルクラスのブランドになります。
このP62Cのヘリックスの中でも上から2番目のスピーカーになりますので決して安いスピーカーではないのですが、姉妹ブランドで比べた際にフラッグシップのブラックスよりも安いブランドとなります。
それでは本題の『安いスピーカーと高いスピーカーの違い』ですが、1番わかりやすいところは「素材・材質」の違いです。
当たり前ですが比べた際に安いスピーカーより高いスピーカーの方がより良い「素材・材質」が使われています。
具体的に先ほどの2つのスピーカーを比べると、まずはスピーカーのフレーム部分。
ヘリックスの方はスチールフレームとなっています。
スチール・鉄製ですので強度が低いわけではないのですが、薄い鉄板となっています。
それに対してブラックスの方はアルミダイキャストになっています。
フレームが厚みがあって強度もある、といったものが高いスピーカーには多いです。
安いスピーカー、エントリークラスのスピーカーにもアルミダイキャストを採用してるブランドもあったりしますが、全般的にエントリーモデルだったりお求め安い価格のスピーカーはスチールフレームのものがほとんどで、高級なスピーカーはほとんどアルミダイキャスト製です。
後はスピーカーの主役であるコーン・振動板も違いがあります。
ちなみにヘリックスとブラックスの振動板素材をカタログで見ると、ヘリックスは「グラスファイバー・ペーパーコンパウンドコーン」が採用されているそうです。
名前だけではちょっとわかりにくいですが、ペーパーをベースにしたコーンなのかな、という感じです。
それに対してブラックスは「マイクロスフィアコーティングペーパーコーン」というものを採用しているそうです。
ブラックスもペーパーコーンではありますが、コーティングをすることで手間もかかっているでしょうし、このコーティングによって軽くて強度のあるコーンになり、パワー感とスピード感を両立し解像度の高い音になるそうです。
より性能の高い素材が高いスピーカーには採用されていることになります。
安いスピーカーと高いスピーカーのわかりやすい違いは上記のような「素材・材質」の違いがあります。
ただ、気になるのは「素材や材質」よりも「音がどれだけ違うのか」というところだと思います。
音の違いは価格が高ければ良いという訳でもないのですが、高いものの方がそのブランドが理想とするを音に近づけられてるものです。
例えば高解像度・ハイスピードな音をテーマにしてるブランドだとすればフラッグシップ・高いスピーカーほど高解像度・ハイスピードな音を実現しているスピーカーであることになります。
ただ、その音が好きなのかということは別の問題になりますが、安いスピーカーと高いスピーカーの音の違いはブランドがもつ理想の音の実現度の違いということになります。
もう1つ安いスピーカーと高いスピーカーの音の違いとして個人的に感じていることがあるのですが、
安いスピーカーは値段を抑えるためにどうしても何かしらの妥協点を入れなければいけなくなりますので音質に対するすべての項目を十分にクリアする事が出来ない、クリアしにくい、という事があります。
なので音質的に妥協できないところだけは最低限クリアするけどもそれ以外の部分ある程度妥協する、といった感じに妥協点が入っているモノが安いスピーカーとなっているように思います。
それに対して高いスピーカーというのは理想の音を求めながらもその他の部分も出来るだけ妥協しない音作りをされてるものというものがほとんどだと思います。
なのでブランドが理想とする音に近い上に全体のクオリティが高いスピーカーが多くあります。
この音の違いを僕個人の感想ですが、具体的にヘリックスとブラックスで比べますと、
ヘリックスは非常に柔らかい音がして、聴き心地良い音色です。
ですがちょっとスピード感が無かったり、高域のクリア感がちょっと足りないと感じるところがあります。
それでもそういう音が好きな方もおられますのでそれはそれで良い事なのですが、性能としてパラメーター的に評価するとスピード感が少し足りない、クリア感がちょっと乏しいかな、というところがあります。
それに対してブラックスは非常に低音の再生能力が高く、それでいてきちんと中音のクリア感もあります。
低音もしっかり鳴らしながら中音もクリアに鳴らす、そしてスピード感やパワー感・音の厚みもある。
いろんなパラメーターが非常に高いレベルでバランスよく実現出来ているのが高いスピーカーということになります。
必ずしも全てのブランドがそうだとは言えないかもしれないですけど、全般的に見ると安いスピーカーと高いスピーカーの音の違いというのは ブランドが思い描く音にどれだけ近づけているか、妥協がどれだけ少ないか、どれだけ高い次元ですべてのパラメーター要素を上げてきているか、バランスを取っているのか、というところがあるんじゃないかなと思います。
サラッとお伝えしましたが、これが安いスピーカーと高いスピーカーの違いです。
素材・材料の違いで言えばどれだけ手の込んだ性能の高い素材を使ってるのか。
音の違いはどれだけ妥協が少ないのか。そのブランドが目指してる音にどれだけ近づけてるのか。
というところになると思います。
最後にちょっと余談なのですが、僕が常に思ってることがあります。
スピーカーは高ければ高いほど良いわけではなくて、高いスピーカーの中にも良くないもの、良くないものと言うと語弊があると思うんですけど、自分に合わないもの、好みじゃないものというのはあります。
なので高ければ良いというものではないです。
ですが「このスピーカーいいな」と思ったものはだいたい高いです(^_^;)
中には安いスピーカーの方が好みに合うと言うこともありますけど、不思議なもので、やはり良いなと思うものは高い事が多いです。
といった感じで安いスピーカーと高いスピーカーの違い。そしてちょっとした余談をお伝えさせていただきました。
今回は基礎知識とはちょっと違うかもしれませんが、こういった雑学みたいなところも知っているともしかしたらスピーカー選びの参考になるかもしれないと思ってお伝えさせていただきました。
今後もこういった雑学的な事だったり基礎的な事、用語解説などを行っていこうと思いますので、タメになったなと思っていただけた方はまた次回も見ていただけたら嬉しいです 。
文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
ただ内容としましてはほとんど同じことをお伝えしております。
内容は上記でお伝えしている内容とほとんど同じとなっており、動画ですが「観る」というよりは「聞く」という感じになっております。