カーオーディオ基礎講座 第38回

こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。

それでは早速始めていきましょう!

サブウーファーのワット数とアンプのワット数の関係

今回は『サブウーファーのワット数と外部アンプのワット数』の関係についてお伝えしていこうと思います。

今回の話のきっかけはお問い合わせからです

まずはなぜこの内容をお伝えしようと思ったか、という理由になりますが、
以前「カロッツェリアのサブウーファー『 TS-WX3030』とカロッツェリアのアンプ『GM-D8100』 を組み合わせて鳴らそうと思っているのですが、大丈夫でしょうか?」という質問をいただいたからです。
この質問を受けた時には特別問題がありそうな組み合わせには感じなかったので「なんでそんな質問をされるのだろう?」と思いました。
ですが、少ししてからなぜそのような質問をされたのか気になって少し調べてみたところ、アンプの『GM-D8100』の説明書に「接続するサブウーファーの目安」というのが記載されていました。
そこに記載されているサブウーファーが2Ωの場合 500W 以上のサブウーファーを接続するように。
それくらいの出力のサブウーファーが目安ですよ。という風に書かれていました。

ちなみに『 TS-WX3030』の仕様は、インピーダンスは2Ω。定格入力は400Wです。そうなりますと、『GM-D8100』で『 TS-WX3030』を鳴らす組み合わせは大丈夫なのだろうか?接続したらどちらかが壊れてしまうのだろうか?と思われたのではないかと思います。

『 TS-WX3030』と『GM-D8100』の組み合わせについて結論をお伝えすると「全くダメというわけではないです。むしろ程よい組み合わせ」になるんじゃないかなと思います。

今回の質問は具体的に商品が上がっていましたのでわかりやすいパターンでしたが、アンプやサブウーファーの話になった時によくワット数について質問をいただきますので、前置きが長くなってしまいましtが、アンプとサブウーファーのワット数について簡単にではありますがお伝えしていこうと思います。

『ワット数』の種類

まず、基本的なところからになりますが、『ワット数』は1つのユニット(アンプなど)について2タイプの記載があります。

その2タイプは『最大ワット数』と『定格ワット数』です。

『最大』と『定格』のほかにアンプなどの信号を出力する側の場合は『出力ワット数』。
サブウーファーなどの信号を入力する側の場合には『入力ワット数』という記載があります。

『最大』『定格』と『出力』『入力』
この4つのワードを組み合わせて、
出力側は『最大出力ワット数』『定格出力ワット数』
入力側は『最大入力ワット数』『定格入力ワット数』
というふうに書かれています。

ではこの『最大ワット数』と『定格ワット数』2タイプのワット数の表記、どちらを気にしてみる必要があるでしょうか?

見るべき『ワット数』は?

それは基本的に気にして見なければならないのが『定格ワット数』になります。

最大ワット数の方が数字が大きくなりますのでどうしても目がいってしまいがちですが、定格の方を気にしてみなければいけない理由があります。
その理由は『最大ワット数』と『定格ワット数』の違い、意味について理解していただければわかってくると思います。

最大ワット数とは?

まず『最大ワット数』というのは出力であればそのアンプがもっとも大きな信号を出力できるワット数になります。

ただ、このもっとも大きな信号を出力している時の音質は加味されていませんので音が乱れている場合がほとんどです。
そして入力の場合にはそのサブウーファーやスピーカーが受け取ることができる最大のワット数ということになります。
ただ、最大入力の場合は「一瞬ならそのワット数が入力されても壊れないですよ」という場合が多いので、継続的に最大ワット数を入力し続けることは出来ないです。

ですので『最大ワット数』というのはそこまでの信号を出力できたり、入力はできるものの音質的な部分や継続的な部分で推奨は出来ないことになってしまいます。

定格ワット数とは?

それに対して『定格ワット数』というのは出力であればそのアンプが音質を保ちつつ出力できるワット数の最大になります。

そして入力の場合にはそのサブウーファーやスピーカーが歪みなどがなく、音質を保つことができるワット数の最大となります。
もちろん音質を保つことができるワット数になるので定格入力以下のワット数の場合にはサブウーファーやスピーカーが壊れることもありません。

改めて見るべき『ワット数』は?

といった感じで『最大ワット数』と『定格ワット数』の違いを簡単にですがお伝えさせていただきました。
この違いを理解していただいたら、すでにワット数の表記は『定格』の方を気にしてみなければいけない理由は理解していただけたと思います。

理解はしていただいていると思いますが、改めてまとめると、
『最大ワット数』というのは音質は無視した形の数字になっています。
せっかく音を良くしようと思ってアンプやサブウーファーを取り付けるのに、音質を無視した『最大ワット数』を重視していても意味がなくなってしまいます。
なのでワット数の表記をみる際には気にしてみるのは『定格ワット数』の方になるのです。

『 TS-WX3030』でおさらい

ここで少しおさらいのような形になりますが、
最初に出てきましたカロッツェリアのサブウーファーとアンプの組み合わせでワット数について確認していきましょう。

まずはサブウーファーの『 TS-WX3030』です。
こちらは定格入力が400W です。
なので400Wまでの信号であれば綺麗な音で音楽を鳴らすことができますし、この信号が継続的に入力され続けても基本的に壊れることがありません。

次に『最大入力』ですが、1,500Wです。
ただ、細かな条件が書かれていませんのでどれくらいの時間大丈夫なのかはわかりませんが、一瞬であれば1,500Wの信号が入力されても壊れない。ということになります。
ですが、1,500Wが入力された時には定格入力を超えていますので仮に壊れなかったとしても音としては歪んだり底付きをしたりしている「よろしくない」状態になっていると思います。

『GM-D8100』でおさらい

次にアンプの『GM-D8100』です。
こちらの定格出力は接続するスピーカーのインピーダンスによって変わってくるのですが『 TS-WX3030』を接続する場合、2Ω になりますのでその場合には500W が定格出力になります。
ですので500Wまでは歪みのない音として信号を出力できることになります。

次に最大出力ですが、定格出力の時と同様に接続するスピーカーのインピーダンスによって変わってくるのですが、2Ω の場合には1,000W が最大出力ワット数になっています。

最大出力ワット数は1,000W とかなり大きなワット数となっておりますが、先ほどからお伝えしておりますように、音質的にはよろしくない状態になっておりますのでそれほど気にしてみる数字でもないですね。

と言った感じで『最大ワット数』『定格ワット数』そしてサブウーファーの入力ワット数と外部アンプの出力ワット数についてお伝えしてきましたが、仕上げにサブウーファーのワット数と外部アンプのワット数のバランスについてお伝えしてきます。

出力と入力のワット数の組み合わせ

このワット数の話になると「サブウーファーと外部アンプのワット数は揃えた方が良いのですか?」と良く聞かれます。

確かにサブウーファーのワット数と外部アンプのワット数を揃えることが一番間違いない組み合わせになると思います。
ただ、ワット数を揃えることを重視すると組み合わせる選択肢がかなり狭くなってしまい、自由度がなくなってしまいます。

なので個人的な考えとしては『およそ近ければそれほど気にすることはない』と思っています。

先ほどの『 TS-WX3030』と『GM-D8100』の組み合わせのように定格入力は400Wと定格出力が500W ぐらいの差であればそれをほど気にすることはない、通常通り使用できる範囲だと思います。

バランスの悪いワット数の組み合わせ

この組み合わせが極端に違う、例えば定格入力100W に対して定格出力が800W となるとバランスの悪い組み合わせになってしまいます。

定格入力が100Wということは音質が保証できるのは100W までということになり、それ以上の信号を入力すると音質が悪くなったり、歪んだ音になったりします。(101Wから急激に悪くなる、ということではないですが)

ということは、アンプが800W の出力を持っていたとしても100Wまでしか出力できませんので700W 持て余してしまう形になります。
このように100W の定格入力を守って使用すればこの組み合わせでも使用することは可能です。
ですが、なんとなくもったいないと言いますか、バランスの悪い組み合わせになってしまいます。

逆に定格入力800W で定格出力が100W の場合も同じようなことになってしまいます。
サブウーファーが800W まで信号を入力することができるのに、アンプ側が100Wまでしか信号を出力することができませんのでサブウーファーを鳴らしきれないようなイメージになります。

これもこれでサブウーファーが実力を発揮しきれずもったいないですよね。

サブウーファーとアンプのワット数の関係を簡単にまとめると

といった感じで、だいぶ余談も入ってしまいましたが、サブウーファーのワット数と外部アンプのワット数のバランスについては、
『揃えた方が間違いないが、多少なら違っていても大丈夫。そして大きく違っていたとしても使用することは可能』といった感じになります。

まぁ、答えになっているような、なっていないような感じになりましたが^^;

細かなことを気にせず使用したいのであればワット数は揃える、または近い組み合わせにすることがおすすめになります。

もしワット数がだいぶ違う組み合わせの場合には『定格ワット数を超えたら音質が悪くなる、または壊れてしまう可能性がある』ということを頭に入れて定格ワット数の範囲内でお使いいただければ大丈夫ということになります。

オーディオには『これといった答え』がないことが多くあります。
今回もそうなのですが・・・
お伝えさせていただきました内容をだいたいのイメージでもつかんでいただければ嬉しいです。

最後に補足と言いますか、さらなる余談になるのですが、

『GM-D8100』取扱説明書の目安について推測

最初の話に戻りまして、

カロッツェリアはなぜ『GM-D8100』の取扱説明書に2Ω のサブウーファーの場合 500W 以上のサブウーファーを目安としてください。と記載したのか?ということについて、あくまで個人的な推測になりますが、

アンプの定格出力が500W に対して定格入力が500W未満のサブウーファーを接続するとアンプがサブウーファーを壊してしまう可能性がある。という考えから500W 以上の定格入力のサブウーファーを接続することを目安としているのだと思います。

例えばサブウーファーの定格入力が800W あれば『GM-D8100』が定格ワット数を出力したとしてもサブウーファー側に余裕がありますからお互いに壊れることなく使用することができますからね。
ということで500W 以上のサブウーファーを接続していれば一番ユニットが壊れにくい組み合わせになるから。ということなのだと思います。

といった感じで今回はサブウーファーのワット数とアンプのワット数の関係、そして『最大ワット数』と『定格ワット数』について簡単にですがお伝えさせていただきました。

こういった内容は『知っていなければカーオーディオを楽しむことは出来ない』というほど重要なことでもないですが、知っているとユニット選びの参考になることだと思います。

普段からこういったちょっとした雑学のようなことをお伝えさせてもらってます。
今回の内容が面白かったな、と思われた方はまた次回も見ていただけると嬉しいです(^^)

動画もあります

文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
(内容は当ページとほとんど同じとなっておりますが、お伝えする順序が多少前後しています)

第37回 カロッツェリアのシート下取付タイプのパワードサブウーファーのおすすめを紹介

今回はカロッツェリアから発売されているシート下に取り付けるタイプのパワードサブウーファー4機種を『どんな方にどれがおすすめなのか』を特徴を軽く踏まえながら紹介していこうと思います。

第37回はこちら

第39回 初めてスピーカー交換するときに知ってると良い用語紹介

今回はカーオーディオのスピーカー交換を初めてする方が知ってると良いのではないか、と思う用語を解説していこうと思います。初めてスピーカー交換する人向けなのでとても簡単なところ、本当に基本的なところっていうのをお伝えしていこうと思います。

第39回はこちら

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