本日はホンダ シビックの2Wayから3Wayへシステムアップした作業を紹介したいと思います。
こちらのシビックは常連のお客さんの中ではとても有名になっているシビックです。
こちらのシビックの今までのシステムを簡単におさらいすると、
メインユニットはサイバーナビ
プロセッサーはヘリックス DSP PRO Mk2
フロントスピーカーアンプはブラックス X4
サブウーファーアンプは PRS-D700
スピーカーはブラックス マトリックス 2Wayy + マトリックスサブウーファー
といった感じでした。
それを今回はフロントにミッドレンジを追加してフロント3Way化。
ドアスピーカーをアウターバッフル化。
アンプのチャンネルが足りなくなるので、D700を取り外してブラックスのNOX4を取り付けて合計8チャンネル化。
といった感じになります。
それでは作業に取り掛かっていきますよ。
まずはドアの作業から始めていこうと思います。
ということで作業前のドアの状態です。
今まではインナーバッフルでドアスピーカーを取り付けていましたし、ツィーターはピラーの方にマウントを製作して取り付けていますのでドアの見た目はいたって普通な状態です。
内張を取り外すとこのようになっております。
内張を取り付けた状態ではいたって普通でしたが、内張を取り外すといろいろとしっかり施工しております。
ぱっと見ではドア制振はインナーパネル全面制振のみですが、その奥の鉄板 アウターパネルも全面制振して、さらにオリジナル吸音処理を行っています。
取り付けているドアスピーカーがこちらです。
ブラックス マトリックスシリーズの1つ前のモデル Matrix 6.1 です。
こちらはセンターキャップタイプですので中低域が得意なタイプになります。
ちなみにセンタープラグタイプもあるのですが、こちらが中高音が得意なタイプになります。
こちらのスピーカーをインナーバッフルからアウターバッフルへ変更しますのでまずは取り外していきます。
インナーバッフルも取り外して更地の状態にします。
更地になったところから頭をフル回転させてアウターバッフルの設計をします。
ちなみにアウターバッフルの設計をするときになにを考えているかといいますと、取り付け強度、背面の開口サイズ、空気の流動性、排水性、内張デザインとの親和性などです。
そして一番難しいのはそれらの要素のバランスをとっていくことです。
そんな設計を行いながら同時にアウターバッフルの材料となるリングを切り出します。
今回はスピーカー取り付け面だけですがシナアピトンの積層合板を採用しています。
リングが切り出せたところで内張に養生をしてアウターバッフルのデザインを考えながらマジックで下書きします。
そしてデザインが決まったところで内張をカットしてしまいます!
結構前の話ですが、このカットする瞬間を見ていた常連のお客さんが「迷いなくいきなりカットするんだね!?」とびっくりされたことがありました。
最後まで迷いながらカットする車両もありますが、ほとんどの場合はデザインを決めるまでにさんざん迷い倒しているのでカットするときには思い切って行っちゃうことが多いです(笑)
そしてカットした内張をドアに組み付けるとこのようになります。
こうなると少しは完成のイメージが出来てきますよね(^-^)
いや、イメージできてるのは僕だけですかね(^^;
ではもう少しイメージしやすく切り出したリングをはめた写真です。
ここまでくると気持ち的には半分出来上がった感じです。
先ほどの状態ではもちろんかっこ悪いですから形を整えるためにパテを盛っていきます。
パテ盛っただけの状態だとかなり凸凹トゲトゲです。
先ほどの凸凹トゲトゲの状態を削って整えるとこのようになります。
この削っていく作業が粉まみれになりながら汗だくになるのでなかなかしんどいのですが、自分の手で形が出来上がっていく工程が楽しいです(^-^)
別角度からもう一枚。
形は好みがあると思いますのでいろいろなご意見あるでしょうが、僕は満足の仕上がりです!
並べてもしょうがないでしょうが左右を並べてもう一枚。
これであとは防水処理などをしてからレザーを貼り付けたら完成です。
ですが、今回はミッドレンジのマウントも作っていきますので生地貼りは同時に行います。
なのでここからはミッドレンジマウント製作に切り替えです。
今回のミッドレンジ取り付け場所はドア上部というか中ほどの丸が書いてある部分です。
ここにミッドレンジを取り付けるためのマウントを製作します。
ということでまずは内張をカットして様子を見ます。
とは言っても既にドア側には取り付けのベース部分となるMDFを取り付けています。
とりあえず内張をカットしたところからいろいろと設計を深めていきまして最終的にこんな感じになりました。
リングを重ねたり、枠を作ったりで構成しております。
ちなみにミッドレンジの裏側はシールドエンクロージャーになってます。
そして先ほどの状態からアウターバッフルの時とおなじくパテを盛って、さらに削って形を仕上げて上の写真のようになりました。
あとは生地を貼り付ければ完成ですが、生地を貼り付けてしまうと内張と同色になるので形が分かりにくいかなと思ってパテの状態でアウターバッフルと一緒に写真を撮りました。
別アングルからもう一枚。
あとは出来上がったものにレザーを貼り付ければ完成です!
この出来上がったものを組み付けていく前にもうひと作業あります。
それが内張の制振です。
以前の取付の際にはアウターバッフルとミッドレンジマウントを製作する可能性があるのであえて内張の制振はせずにいてもらいました。
ということで今回はあわせて行っていきます。
全面にオーディオテクニカのブチル制振材を貼り付けて「内張全面制振スタンダード」の完成です!
そしてここからオーナー様から1点ご依頼があった作業を行います。
それがこちらです。
内張の空間を吸音材で埋めてほしいということでしたので内張を組付ける際に支障のない範囲で空間を埋める様に吸音材を貼り付けております。
これにて内張制振+吸音処理完成です!
最後に組み付けなのですが、組み付け前にインナーパネルを1枚。
インナーパネルなのであまり変化はないですが、アウターバッフル製作とミッドレンジマウント製作でインナーパネルの状態も少しだけですが変化しました。
内張、アウターバッフル、ミッドレンジマウントを組み付けるとこのようになります。
まだスピーカーは付いていないですがマウント部は完成ですね。
別アングルからもう一枚。
ドアスピーカーを取り付けるとこのようになります。
あとは最後にグリルを取り付けますよ。
ミッドレンジも取り付けるとこうなります。
取り付けているミッドレンジはブラックスマトリックスシリーズの1つ目のモデル コーンタイプのミッドレンジ Matrix 3.1 です。
マトリックスにはドーム型のミッドレンジもあるのですが、コーン型が中低域タイプ。ドーム型が中高音タイプとなってます。
ウーファーがセンターキャップタイプでミッドレンジがコーン型ですので濃厚な中低域を鳴らしますよ!
最後に両方のスピーカーにグリルを取り付けてドアの作業は完成です!
派手さは無いですが、シンプルに・既存のドアデザインを崩すことなく取り付けることが出来たのではないかと思います(^-^)
せっかくなので今回はなにもしてないですがツィーターの写真も1枚!
ドアの作業が終わったので仕上げにトランクです。
ドアの作業だけでかなりの文章量になってしまったので忘れているかもしれませんが、今のままではアンプのチャンネル数が足りていません。
ということでアンプを追加していきます。
まずは今までの状態です。
右側のボックスがサブウーファーで左のボックスの中にブラックスのX4。
その上にプロセッサーとサブウーファー用のアンプD700です。
左のボックスを開封するとこんな感じでアンプが取り付けられています。
今回はX4はそのままで、この上にさらにボックスを作ってNOX4を取り付けていきます。
とその前にアンプにファンを付けてほしい。というご依頼もありましたので少しボックスの仕様を変更して車両後方にファンを取り付けました。
そしてボックスを追加してこんな感じに仕上がりました。
各アンプに排熱用のファンを1つずつ取り付けて、ボックスの中に取り付けてしまうとアンプが何かわからなくなってしまうのでアンプのエンブレムを取り外してボックス後方に取り付けさせていただきました。
これにてやっとすべての作業完了です!
文章も長いですが作業時間も長かったです!
約2週間付きっきりで作業させていただきました。
最後はもちろんヘリックスのプロセッサー DSP PRO Mk2 で音質調整をさせていただき納車させていただきました!
と言った感じで本日は ホンダ シビックのシステムアップ作業を紹介させていただきました!
追伸
こちらのシビック、もちろんオーナー様の意向はしっかり入っているのですが、細かな部分などかなり僕の好きなように作らせていただいております。
なので個人的にも気に入っているお車です。
どれくらい気に入っているかというと、このままこのシビックが欲しいくらいですね!
あっ、でも自分の車だとしたらあーしたい、こーしたいがあるのでシビックに乗るとしてもゼロから始めたいかもですね(笑)