本日は フォルクスワーゲン ゴルフ のタイヤハウスとエンジンルームに対して静音作業をさせていただいた内容を紹介いたします。
こちらのお車は定期的にオーディオのシステムアップをしていただいている車両です。
前回の作業はこちら↓
前回はDSPにBluetoothレシーバーを追加させて頂きまして、これで大まかなオーディオシステムが完成した感じになっておりました。
そこから今回は走行時、車内をもう少し静かにしたいというご要望で静音作業をさせていただくようになりました。
色々な箇所をご提案させていただきましたが、今回は1泊2日で完了する範囲ということでタイヤハウス(前後4輪)とボンネット、バルクヘッド上部に対しての施工をさせていただくことになりました。
それでは作業を紹介していきます。
まずはボンネットから施工をしていきます。
ということで作業前の状態です。
ゴルフは純正の状態でボンネット裏にカバーが取り付けられていました。
先ほどのカバーが付いている下に対して静音作業を行なっていきますのでまずはカバーの取り外しです。
これですっきりとした状態になりました。
静音作業は制振シートと吸音か遮音シートを貼り付けていく作業となりますのでまずは貼り付け部を脱脂します。
まずは制振シートを貼り付けていきます。
制振シートを貼り付けることで文字通り振動を抑制する効果があります。
振動を抑制することで鉄板部の振動が少なくなりますので鉄板特有の響きが低減されたり共振音が発生しにくくなります。
また、比重の重たいブチルシートを貼り付けることで鉄板部の重量増加をさせることができます。
物理に詳しいわけではないので受け売りですが、物体は重量が重たくなることで音を遮る遮音の能力が高まるそうです。
ですので制振シートは振動を抑制することと重量を重たくすることの2つの目的があります。
重量が重たくなると気になるのが燃費や走行性能かと思います。
もちろんいくらか重たくなるので燃費や走行性能には影響します。
なので燃費や走行性能を取るのか、静かさによる快適性を取るのかは選択が必要となってしまいますね(^^;;
続きまして先ほどの制振シートの上に吸音シートの貼り付けです。
先ほどの制振シートは全帯域に対して効果的ですが、吸音材は中・高音に対して効果的です。
人間の耳は2〜3kHzあたりの比較的高い音に対して敏感だと言われています。
なので制振シートと合わせて吸音シートを貼り付けるのは人間の耳の特性を考えると効果的な施工となります。
これでボンネットへの施工は完了となります。
最後は元々のカバーを取り付けて完了です。
カバーで隠れる範囲だけの施工なのでカバー設置後は見た目が変わらずすっきりです。
静音作業はカバー以外の箇所も施工すると効果は高まりますが、どうしてもボンネットを閉めた際に各シートが上に貼り付けている状態になってしまいます。
なので下に貼り付けている状態よりも剥がれてしまうリスクは高まりますので、もしもの際も考慮するとカバーの中だけに限定する方が良いかと思います。
ちなみに今更ですがボンネットに対して静音作業を行うとエンジン音が車内に入りにくくなりますのでエンジン音が静かになったように感じられます。
続いてワイパーが設置されている樹脂パネル下に対して施工を行なっていきます。
この箇所をなんと呼んだら良いのかはっきりわかりませんが^^;
エンジンルームと車内を隔てる壁のことをバルクヘッドと呼ぶそうなのでワイパーが設置されているパネルの下部はこのバルクヘッドの上部に当たると思います。
なので今後はバルクヘッド上部と呼ぼうかと思います。
このバルクヘッド上部は範囲としては狭いですが、ここに対して施工を行うとエンジン音の低減効果がありますのでこちらへも施工を行なっていきます。
ということでワイパーを外し、パネルを外した状態です。
こちらもボンネットと同様に脱脂をして綺麗にした後、制振シートを貼り付けていきます。
ちょっと見えずらい箇所なのでわかりにくいかと思いますが、貼り付けに支障のない範囲で貼れるところに貼り付けをさせていただきました。
続いて遮音シートの貼り付けです。
遮音しーと中・高音に対して効果的ですので制振シートと組み合わせて施工させていただきました。
ただ、このバルクヘッド上部はワイパーが設置されていることもあり雨が降った際にはしっかりと雨水が入ってきます。
制振シートはブチルなので水は関係ないですが、遮音シートはスポンジ状なので少し水を気にする必要があります。
もちろん水に対しての対策はしてあるシートですが、さすがに水が溜まる部分への貼り付けは難ありかと思いますので底面への貼り付けは避けさせていただき、側面のみに貼り付けをさせていただいております。
これでバルクヘッド上部への静音作業も完了なのでパネルとワイパーを組み付けて完成です。
エンジンルームの静音作業が終わったところでお次はタイヤハウスの静音作業を行なっていきます。
ということでまずはフロントのタイヤハウスです。
ジャッキアップをしてタイヤを外した状態ですね。
タイヤを外した後はタイヤハウス内のインナーカバーを取り外します。
こちらの樹脂カバーに対して制振シートの貼り付けて遮音シートの貼り付けを行なっていきます。
外したらすぐに貼り付けを行いたいところですが、タイヤのすぐ近くにあるパネルということでそれなりに汚れています。
なのでまずは水洗いで全体的に砂や汚れを落として、乾かしたのちシートの貼り付け部分の脱脂をおこなってから貼り付けとなります。
まずは制振シートの貼り付けです。
制振シートはアルミ層があるのでほとんど伸びません。
なので直線や少しの曲がりなら対応可能なのですが、3次元的な湾曲はとても貼りにくくなります^^;
タイヤハウスのインナーカバーはタイヤを囲むように作られていることが多いので大体3次元的に湾曲しています。
なのでどうしても細切れを貼り付けていくような感じとなってしまいます。
制振シートを貼り付けた後は遮音シートを貼り付けです。
遮音シートは制振シートよりは少し伸びますがやっぱり湾曲部には貼り付けがしにくいです^^;
これでフロントタイヤハウスインナーカバーに対する静音作業が完了ですので、
カバーを車両に組み付けて完成です。
ちなみにタイヤハウスの静音作業はロードノイズ対策として施工をさせていただいております。
ですが、今まで施工をさせていただいたオーナー様のご感想は「思った以上の効果があった」と言われる方や「ほとんど効果がなかった」と言われる方もおられてとても体感できる効果量に幅が出てしまっています。
おそらく車両の構造やインナーカバーの大きさ、後はタイヤの騒音量によって変わってくるのかと思います。
ですので、施工前のお見積りやご相談の際に上記のようにご感想に幅があること、効果が出にくそうな車両の場合にはそのようにお伝えさせていただいております。
タイヤハウス静音に興味はあるけど、どれくらい効果があるだろうか?と心配されておられる方はご来店いただきましたらその辺りのお話をさせていただきますのでご相談くださいね!
フロントが終わりましたのでお次にリアも行っていきます。
ということでジャッキアップをしてタイヤを外した状態です。
タイヤハウスのインナーカバーを取り外した状態です。
ちなみにゴルフのリアタイヤハウスインナーカバーは樹脂パネルというよりは繊維質な感じのものになっています。
この繊維質な感じの素材ですと制振シートの貼りつきが悪く、剥がれてしまいます。
なのでそういった車両の場合には車両鉄板側に施工をさせていただいております。
ということでまずは制振シートの貼り付けです。
車両前方側はこんな感じ、
後方側はこのような感じで貼り付けをさせていただきました。
お次は遮音シートの貼り付けです。
車両前方側はこんな感じ、
後方側はこのように貼り付けを行いました。
これでリアタイヤハウスへの施工もできましたので、
リア側のタイヤハウス静音も完成です!
ちなみにタイヤハウスへの静音作業の効果についての補足ですが、
樹脂パネルに施工する際にはロードノイズに対しての効果は色々なケースで効果の体感値が変わると言いましたが、ほぼ間違いなく効果があるノイズがあります。
それは小石を跳ね上げた時や水溜りに入って水を跳ね上げた時です。
この小石や水で結構樹脂パネルが叩かれますので特有な音を出します。
ですが、制振シートなど貼り付けることでこの特有な音がだいぶ抑制されます。
常に効果がある要素ではないですが、小石の跳ね上げや水溜りに入った時の音が気になる方にもタイヤハウスの静音作業はおすすめですよ!
といった感じで本日は フォルクスワーゲン ゴルフ の静音作業。エンジンルーム関係としてボンネットフードとバルクヘッド上部。そしてロードノイズ対策としてタイヤハウスのインナーカバーや鉄板部に対して静音作業をさせていただいた内容を紹介させていただきました。
追伸。
後日オーナー様から今回の静音作業のご感想をいただきました。
ロードノイズに関しては期待したほどの効果は実感できなかったそうですが、エンジンルーム周りの音は思った以上に抑えられていた!ということでした。
静音作業は人それぞれ感じ方も違えば期待値も違いますので少し難しい作業ではありますが、しっかり施工をさせていただきますので気になっている方はお気軽にご相談くださいね!