カーオーディオ基礎講座 第35回

こちらのページではカーオーディオ基礎講座といった形でカーオーディオの基礎知識や用語解説などを行っております。
カーオーディオは専門用語が多く、分かりにくいことが多いと思います。
そういった分かりにくいことや、これからカーオーディオを始めようと思っておられる方が疑問に思うことなどを出来るだけ分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
分かりやすくお伝えすることを目指していますので厳密にはちょっと違うところもあるかと思いますが、まずは大きなイメージをつかんでいただきたいと思っておりますので、そういう気持ちで見ていただけたら幸いです。

それでは早速始めていきましょう!

ツィーターとウーファーの組み合わせ

ツィーターとウーファーの組み合わせについて

ツィーターとウーファーの組み合わせ。ウーファーと言うとちょっとややこしいかもしれませんが、ドアスピーカーですね。
この2Wayの組み合わせについてお伝えしてこうと思うんですけども、普通に考えたら「それセットじゃないの?」「そのままの組み合わせでしょう?」と言うふうに思われるかと思います。
今回はツィーターとウーファーの組み合わせについてお伝えしていきます。

なぜ組み合わせの話?

なぜ組み合わせについてのことをお伝えしていこうかと言いますと、1度スピーカーを取り付けて、そのあとちょっとグレードアップしようかな、と思った時にツィーターだけ違うものに交換する。とかウーファーだけ違うものに変えてみる。と言う選択肢を思いつく方がおられます。
このツィーターとウーファーを違う組み合わせにする。この際にちょっとした注意点などありますので、これについて簡単に考えてることをお伝えできたらなと思います。

やっぱり既存の組み合わせがいいですよ

まずいつも思ってることはやはり同じブランド、同じグレードの組み合わせ。
一般的に言われている2Wayのセットですね。
これが一番良い!とまでは言い切れないですが、一番無難な組み合わせだと思っています。

良いにはやはり理由がある

というのが、メーカーはその組み合わせでスピーカーを設計していますし、音作りをしています。
ですので音全体のバランスの良さや音色の統一感などを考慮しながら作られてると思います。
そういう理由から既存の2Wayのセットが『一番ハズレのない・間違いが少ない』組み合わせ、すごく当たり前のことにはなるのですが、既存の組み合わせが一番だなと思ってます。

再生帯域は重要です

あとは各ユニット(ツィーターとウーファー)の再生帯域もきちんと考慮して組み合わせられています。
具体的にダメな例をお伝えすると、ウーファーの高い音の再生帯域の限界が4kHzだったとして、それに組み合わせるツィーターの低い音の再生帯域が8kHzだとしたら、4kHzから8kHzの間と言うのはきちんと音が鳴らせないことになってしまいます。
こういった組み合わせでは2Wayスピーカーが成立しないことになってしまいます。

成立しないとは言いましたが・・・

とは言っても上記のような組み合わせでも成立しないこともないですが、やはり鳴らせない音があるということは音のバランスが悪くなったり、音の繋がりが悪くなりますので良好な組み合わせではないと思います。
そう言った点からもやはりブランドが組み合わせている2Wayの組み合わせ、これを合わせるのが一番無難な選択になります。

やはり変えてみることは楽しいですよね

とはいうものの、趣味ですので組み合わせを変えてみたりするのも それも遊びのひとつだと思いますし、楽しみのひとつじゃないかなと思います。
なのであえてツィーターとウーファーを違うものに変える場合のポイント、と言うより注意するべきところ、こういうところを意識して選んでもらうとバランスが崩れにくかったり全体的にまとまりやすくなるところを2つお伝えします。

選ぶ際のポイント2つ

ポイント一つ目が『ツィーターとウーファーの音色が近いものを選ぶ』

二つ目が『再生帯域の鳴らないところが無いような組み合わせ』 です。

主にこの二つのポイントがツィーターやウーファーを違うものに変えるときに重要になると思っています。

余談的にポイントもうひとつ

あとは余談的なポイントになりますが、ツィーターとウーファーのスピード感があまり離れすぎてないもの、違いすぎないもの、というのもポイントになります。

『音色』についてちょっと解説

次に先程お伝えした2つのポイントをもう少し詳しくお伝えしていこうと思います。
まずは『音色』についてですが、
音色はブランドがどのようにしていくのかを考えてツィーターとウーファーを組み合わせています。
ですのでツィーターかウーファーどちらか片方だけ違うスピーカーに変えてしまうと音色のバランスが崩れて全体の音のバランスが変わってしまうことがあります。
そうならないためにも変えるスピーカーは出来るだけ今までのスピーカーと音色が近いものを選ぶとバランスが崩れる可能性が低くなりますので失敗しにくくなります。

カタログから『音色』を推測するポイント

ただ、音色が近いものを選ぶと言っても実際に聴いてみたり、聴き比べてみないとカタログには掲載されていませんので判断がしにくいです。
でもカタログだけで音色を推測する方法があります。
その推測するポイントが『振動板の材質』です。
振動板の素材ごとに特定の音色を持っていることが多いです。
ですので、今まで取り付けていたウーファーの振動板がカーボンだったとしたら新しく取り付けるスピーカーの振動板もカーボンのものを選ぶと比較的音色だったり音の方向性が合いやすくなります。

振動板を変える時の考え方

先程は振動板は合わせた方が良いとは言いましたが、もちろん『わざと違う振動板に変える』ということもあります。
例えばカーボン振動板のウーファーに金属系振動板のツィーターという組み合わせの2Wayだったとして、どうしても金属系のツィーターの音が苦手だとしたら、わざとソフトドームのツィーターに変えて組み合わせてみる。とか、そういう組み合わせ方はありだと思います。

同方向のグレードアップなら同系統のものを

ただ、今鳴ってる音の感じが好き、今と同じ方向でグレード上げていきたいと言うのであれば振動板の素材は同じ、また同じ傾向のものが良いと思います。
例えばカーボンを使った振動板ならカーボン系。ペーパーを使った振動板ならペーパー系と言った感じで合わせて言った方がズレは少なくなると思います。

『再生帯域』についてちょっと解説

次に2つ目のポイント、再生帯域の鳴らないところが無いような組み合わせについてですが、
再生帯域については最初の方で少しお伝えしていますが、鳴らせない帯域が無いようにすることは重要になります。
ウーファーとツィーターの限界再生帯域が同じになる必要は無いので(例えばウーファーの高音限界が4kHzでツィーターの低音限界が4kHzのようにならなくて大丈夫です)限界再生帯域が被るようにする必要はあります。
例えば、ウーファーの高音再生帯域が6kHzまで、ツィーターの低音再生帯域が3kHzまで。と言ったように2Wayで組み合わせた時に帯域の抜けが無い組み合わせにするのがポイントです。
この再生帯域は必ず守らなけらばならないところでは無いのですが、やはり極端に音がない、薄い周波数があると「何か物足りない」と言った感じになりやすいです。

人はディップに対して鈍感だそうです

少し余談になるのですが、人間は足りないところより過剰なところの方が聴き取りやすい、敏感だそうです。
なので少しくらい鳴らせないところがあったとしてもそれほど気にならないそうです。(とは言っても何か物足りない、と言った感じになることはありますが)

余談の部分もちょっと解説

最後に余談的なポイント『スピード感が違いすぎない方が良い』についてですが、
ウーファーとツィーターの音のスピード感があまりに違いすぎると音のバランスがとりにくくなるのであまりおすすめ出来ない組み合わせになります。
例えば、ウーファーのスピード感がとても遅い、歯切れの悪い音だとして、そのウーファーに組み合わせるツィーターがとてもスピード感が早い、歯切れがとても良いツィーターだとしたら、この組み合わせは低音と高音でなんとなくギクシャクするというか、キャラクターが違う音になってしまいます。
そうすると周波数のバランスが整っていたとしても聴こえ方のバランスが悪い組み合わせになってしまいます。

スピード感の違い、難しいです・・・

スピード感が遅いとか早いというのはなかなか難しい話にもなるのですが、一般的には振動板の大きな物ほどスピード感は遅くなりやすく、小さな物ほどスピード感は早くなりやすいです。
ですのでウーファーとツィーターを比べた際にはウーファーはスピード感が遅くなりやすく、ツィーターはスピード感が早くなりやすいです。
ということは、ウーファーの中でもスピード感が遅いものを選ぶ際にはツィーターの中でもスピード感が早いものは選ばないようにするとか、ツィーターの中でもスピード感が早いものを選ぶ際にはウーファーの中でも出来るだけスピード感が早いものを選ぶ、と言ったところもポイントになると思います。

ただ、スピード感のことまで考えていると組み合わせを考えていくのに難しくはなっていきますのでまずは『再生帯域』と『音色』について考えながら組み合わせを考えていったらいいと思います。

振動板素材を低音と高音で揃える

組み合わせの話なので最後に『ついで』みたいな話ですが、
スピーカーを違うものに変えるなら同じ振動板がいい。ということをお伝えしたのですが、スピーカー振動板の一つの理想型として『ウーファーとツィーターを同じ素材の振動板にする』というのがあります。
そうすることで低音と高音を鳴らす振動板の材質が同じになりますので低音と高音の音色が揃いやすくなるからです。
ただ低音を鳴らしやすい素材と高音を鳴らしやすい素材というのは違いますので、ウーファーとツィーターを同じ素材の振動板にしていることは少ないのですが・・・

でもやっぱり揃えるのは難しい?

その同素材の組み合わせをしている中にダイアトーンのスピーカーがあります。
こちらは『NCV』という素材を使って振動板をウーファー・ツィーター両方に採用しており、今だと『DS-G300』がそうなのですが、こちらのスピーカーは低音と高音の音色の統一感が綺麗に取れています。
そのおかげもあって女性ボーカルが綺麗に聴こえることで有名だと思います。
ただ、そのダイアトーンもフラッグシップモデルの『DS-SA1000』のツィーターは『ピュアボロン』という金属振動板で作られています。
ということはとことん高音を追求していく際にはウーファーと同素材というのは限界がある、ということなのかもしれませんね。

最後に

最後は少し話がそれてしまいましたが、今回はツィーターとウーファーの組み合わせ、やはり『一番無難なのは同ブランドの同グレードの組み合わせ』です。ということ、ブランドだったりメーカーが組み合わせてきたセットが一番です。というお話しと、
敢えてその組み合わせを崩して、違うものと組み合わせるときに注意したいところ、ポイントとして覚えといておくと良いところをお伝えさせていただきました。
ただ、ポイントもこれが全てではないんですが、参考として覚えといてもらえるといざというときに役に立つのでは無いかと思います。

普段はこんな感じでちょっとした雑学みたいなことだったり、知っているともしかしたらちょっと得するかもしれないな、ということをお伝えしております。
今回の内容がが面白かったなと思われた方はまた次回も見ていただけると嬉しいです( ^ω^ )

動画もあります

文字を読み込んでいくことが苦手な方のために動画も用意しております。
(内容は当ページとほとんど同じとなっております)

第34回 サブウーファーのボックス、シールド型とバスレフ型の違い

サブウーファーのボックスはシールド型とバスレフ型どっちがいいんですか?どっちがオススメなんですか?という質問がありましたので今回は各ボックスについて簡単にお伝えしていこうと思います。

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第36回 スピーカーとパッシブクロスオーバーの組み合わせについて

前回、ツィーターとウーファーの組み合わせについてお伝えしたのですが、よく考えてみたらお伝えしている内容がデジタルクロスオーバーネットワークを使ったマルチ接続前提の感じでお伝えしていたかと思います。
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